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 悠久の時の彼方、ここ此処ゴンドワナ大陸は《神》の治める平和な大陸だった。

 《神》は自分がその地を治める証として、ゴンドワナ大陸の中央に《世界樹》と呼ばれる巨大な樹を置いた。根は魔界にまで根ざしてそれを封印し、こずえ梢は天界にまで届き《神》の(わざ)を伝える道となる樹は《神》が治める平和な世の証として人類の拠り所となった。人類はその大陸で平和な世を満喫していた。

 しかし、《神》に甘えきった人類は何時からともなく堕落の道を歩み始める。

 《世界樹》の封印の狭間を縫って魔界からゴンドワナ大陸に侵入して来た魔族達もそれに拍車をかけた。《神》が幾ら手を尽くしても人類はそれに勝る速さで堕落していった。 《神》は落胆し、ついにゴンドワナ大陸を見捨て《世界樹》を大地から引き抜き、一雫の涙を残してどこ何処かへと立ち去っていった。

 封印を解かれ、自由にゴンドワナ大陸に侵入出来るようになった魔族は次々と人類を襲った。魔族は全ての存在を否定し、破壊する事を定められたものだからだ。

 その牙は安穏と生命を貪っていた人類を次々に捕らえた。

 《神》の平和に慣れきった人類はそれに抵抗する力も無く、人類は一瞬にして滅ぼされるかに見えた。

 その時にどこ何処からともなく現れたのが《竜》の一族である。

 《竜》はその圧倒的な力を惜しげもなく使い、魔族を魔界へと退けた。そしてゴンドワナ大陸は《竜》が支配する地となった。《竜》は人類を完全に支配、統合し、人類を労働力として一大帝国を創り上げた。

 その繁栄ぶりは《神》の治世に勝るとも劣らず、その栄光は永久に続くかに思えた。しかし、《竜》の一族の種族的衰退と、支配される事を潔しとしない人類の一斉蜂起によってこの帝国も五百年の時を以て終焉を迎える事となる。そして、帝国が滅びると同時に、《竜》もどこ何処かへと立ち去っていった。

 次に興ったのが人類に拠る古代魔法文明である。《竜》の力の知識を人類が利用して生まれた魔法に拠って人類は初めて自分達でゴンドワナ大陸を支配した。

 《竜》の支配の終焉によって魔界からの侵略も再開されたが、人類は《世界樹》の跡地に巨大な迷宮を築き上げ、魔法による結界を張る事によって魔族が地上に現れるのを封じる事に成功した。人類はその迷宮を世界樹の迷宮と呼んだ。

 人類は時代を追う毎に繁栄の一途を辿り、ゴンドワナ大陸は人類で満ち満ちた。その中で人類は大きく五つの種族に分かれていく。人間族、森の妖精族、土の妖精族、大地の妖精族、草原の妖精族、の五種族である。

 繁栄を極めるかに見えた人類。だが、それに終止符を打ったのは皮肉な事に彼等自身であった。

 即ち戦争。同じ人類が憎しみの為に、又は欲望の為に殺し合う日々。ゴンドワナ大陸は今までの歴史の中で最も多くの血をその大地に染み込ませた。

 そうして人類が疲弊しきった時、世界樹の迷宮を抜けて地上に現れた魔族達によって古代魔法文明は崩壊した。


           しかし、人類は未だゴンドワナに在る。



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