影に侵された街 (pt.2)
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時計は止まったままだった。
一秒が過ぎた。
そして、もう一秒。
通りの誰も、時間が止まったことに気づいていないようだった。会話は続き、足音は重なり合った。しかし、Éveillésにとって、何かが歯車から外れたことは明らかだった。
空気が重くなる。
路地では、Obskullsが漂うのをやめた。全て同時に止まり、まるで静かな命令を待つかのようだった。その形は微かに震え、ゆっくりと街の中心に向かって集まっていく。
Naëlは胸に手を当てた。一呼吸ごとに鈍い痛みが走る。
— …来る。
警告もなく、影のひとつが飛び込んできた。
壁を突き抜け、地面を突き抜け、後ろに冷気の軌跡を残す。通った場所では光が歪み、色彩が死んでいった。女性が意識を失い、倒れた。外傷は一切見えない。
Obskullが今、獲物を得たのだ。
静寂が破られる。
叫び声が上がった。市民たちは恐怖に駆られ、理解できぬまま走り出した。Éveillésは、恐怖が倍増していくのを目の当たりにしていた。
前夜のfailleが再び脈打った。
閉じることはなかった。
むしろ――根を張るかのように広がった。
アスファルトの下で影の血管が伸び、建物沿いに神経のように這い上がる。街全体が、裂け目の延長になっていく。
屋上の上、赤い目のsilhouetteが動かずにその光景を見つめていた。
— 閾値を越えた、と彼女は囁く。
— さて…昼まで生き残るのは誰か、見てみよう。
群衆の中で、Naëlは手の甲の印がさらに熱く燃えるのを感じた。
何かが外に出ようとしている。
そして、初めて理解した。Minuitはもう夜を待たないのだと。




