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令の輪を繋いだ ある日
「・・・あの・・・?」
「・・・失礼だけど
貴女、以前私と会った事ない?」
「あぁ、それ自分も思った
何か・・・見た事のあるような・・・そうでもないような・・・
・・・もしかして、テレビとかに出てるタレントさんだったり?」
「・・・・・・っ・・・
・・・いいえ
私は貴方達と、今日初めて出会いました」
「そう・・・
あっ、そうだ!!今からちょっと私達の店に来ない?
今回のお詫びに、花束プレゼントしてあげる!」
「えっ?!いいんですか?!」
「いいんだ、今日の配達もうこれで最後だから
・・・実は嫁がな、最近『フラワーアレンジメント』の資格を取ったんだ、その練習がてらに、受け取
ってくれないか?」
「はいっ!!勿論です!!」
「ねぇねぇ!!
もし好きな花があったらリクエストしてよ!!
代金は取らないからさ、好きなの注文してよ!!」
「・・・・・
・・・・・そうだな・・・
それじゃあ、
『ハーデンベルギア』をメインに
お願いします」
何処かで小さな奇跡が
人知れず起こっていた