表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
74/84

第十八章 サバネ視点 伝えた感情のぬくもりに溶ける

自分とウメは、キセキさんにお礼の気持ちを告げる。その直後、ウメは爽やかな春の風と消えた。

自分の手に残ったのは、桜の花弁が、一枚。自分はその花弁をしっかりと握りしめながら、その場で泣き崩れた。

後ろからも、自分と同じ様にに、ウメとの別れを惜しむ村民のすすり泣く声が聞こえる。キセキさんの目からも、大粒の涙が溢れていた。でもその顔は、とても清々しく見える。

自分もそうだった。結構大泣きしているんだけど、口元は笑みを浮かべている。それはきっと、ウメとの別れが、決して悲しい『だけ』ではないからかもしれない。

ウメが天に召される喜びを、今、皆と共に共有している。それは自分達にとって、とても喜ばしい事だ。


感動に浸っている自分に、キセキさんは、


「頑張ってくれて、ありがとう」


と言ってくれた。

自分が感謝する側なのに、その言葉は自分には勿体なさすぎる言葉だ。自分はキセキさんの手を握り、何度も「ありがとう」と言い続けた。

そして、自分の後ろにいた村の皆も、キセキさんに駆け寄ってお礼の言葉を次々に述べる。子供達は、キセキさんの体に飛び込み、「恩人さまー!!」と叫びながら、キセキさんを歓迎していた。

キセキさんは子供を一人一人抱きかかえながら、皆の言葉一つ一つを、しっかりと受け止めている様子だ。




そして、先ほどまで雲に覆われた空が一気に晴れ、この村はようやく、光が差し込んだ

そして、祝福の光は

大勢の人間の後押しとなった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ