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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第十六章 キセキ視点 制止の声

「・・・・・アハハハッ・・・


 ・・・結局、『ニンゲン』ハ愚カナ生キ物ダッタノサ

 私モ、アイツラモ、結局自分ノ利益シカ考エラレナイ、『単純』且ツ『馬鹿』ナ生キ物ナンダヨ・・・

 私モ私デ馬鹿ダッタヨ、『精鳥』トシテノ生活二、ヨウヤク希望ガ見出セタト思ッタノニサ・・・


 ・・・ナノニサ・・・

 ・・・ソレナノニ・・・」


遠くで、ウメの声が聞こえた。しかしその声は、どこか寂しげで、虚しく山に響いていた。

でも、今は自分の身を守る事が先決・・・なのは分かってる。でももう、蔦が手に絡まって、更に力が入りづらい。

私はその蔦を口で噛み切ろうとしたが、今度は首に巻き付いた蔦が圧迫して、下手に動くと窒息してしまう。

私はどうにか息苦しさを我慢しながら、手の蔦を噛み引っ張った。無我夢中で力を振り絞ろうとするけど、だんだんと意識が遠のく。

私に耳には、ただウメの虚しげな声だげが残っていた。それを聞くと、何故か力がどんどん体から湧き上がるきがする。でも今全力を出せば、巨木は本気で私を締め付けるだろう。

冷静を取り戻してきた私は、この状況を打破する為に、頭を必死になって動かしていた。でも、早く即決しないとどの道作戦は失敗する。私は一旦口を蔦から離し、息を落ち着かせた。

もう下半身が巨木に飲み込まれてはいたけど、それでも脳は動かしていた。

今すぐウメに駆け寄り、「今までよく頑張ったね」と、抱きしめてあげたい。私はその思いを必死に天へ懇願した。ウメの穏やかな笑顔を思い出しながら、私はウメに向かって手を伸ばす。

ウメは今、怒っているのではなく、悲しんでいるんだ。その悲しみが心から溢れ出て、その溢れ出た感情は『憎しみ』と化して、彼女の心を支配している。

そしてその呪縛を今理解してあげられるのは、私しかいないと。そして、ウメの呪縛を解く事ができるのも・・・・・






「待ってくれー!!!」



でも

誰にだって、『忘れたくない記憶』・『忘れられない記憶』がある


手繰り寄せた先には、懐かしい風景・懐かしい顔が

貴方を待っている

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