表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
66/84

第十五章 キセキ 過去編四幕 

こんな状態では、


『※※※※※』


もさすがに黙ってはいられないだろう。だから御神鏡にあの文字が浮かんでも、驚きはしなかった。

そして、御神木の梅を啄み、『※※※※※』の怒りを買ってしまったのが、『ウメ』だった。

ウメは、私に退治されて天に昇る事は許されなかった。それではあまりにも、彼女が犯した罪と釣り合わなかった。

怪鳥集団の中でも、特に荒らし回っていた、怪鳥の筆頭格であったウメ。彼女との戦闘が一番苦労した。どこまでも執念深く、私をじわじわと痛めつけようとするウメ。

私は蹴りを入れた後、喉元寸前まで残桜の刃を突き立てた。執念深く追い詰めようとした結果、体力を消耗していたウメは、その一撃で完全に観念する。

退治を許されなかった怪鳥は、ウメの他にも数匹いた。私は彼らを集めて、『※※※※※』の意向を伝える。

『※※※※※』の提案した内容は、自分達が陥れた人の分、人を助ければ、改めて天へ昇る事を許可されるというもの。

捕らえた怪鳥全員がその意見を承諾。私は彼らの禍々しい姿と能力を封印して、新たな姿と力を与えた。

『ウメ』という名前も、私が付けたもの。ただそれは、ただ単にウメの実を食い散らかした怪鳥だから・・・という安易な考えではない。

ウメの花の、爽やかで甘い香りを漂わせて、迷える人々を救えるようにと、私はその名前に、希望を込めた。


そして、ウメとの出発前、御神鏡に写った文字から、私は後々何が起こるか、ある程度察しはついていた。でもこればっかりは、不運に不運が重なった結果としか考えたくない。

もしこの村の村長が欲に溺れていなかったら、こんな事態は起こらなかった。

ウメが勘違いをしなければ、ウメの封印は解かれずに済んだ。『※※※※※』も、ある程度この結末を悟っていたから、私に全ての判断を委ねたのかもしれない。


 閉ジモ開キモ 其方次第

 処罰ノ行方モ 其方次第


この言葉の意味が、私に重くのしかかる。

でも、私が意図しない展開で、ウメの封印が解けてしまったのは、私も『※※※※※』も、予想外だったのかも。

そして私は今、この物語の『終』を書く為の筆を握っている。でもその筆は、あまりにも重すぎる。でも私が終わりを飾らなければ、物語は平行線のまま、悪い内容の話題が進むだけ。

『※※※※※』の為にも、ウメの為にも、サバネの為にも、終止符は今、打たなければならない。

汗で濡れた私の手は筆をつたい、ますます筆は重くなる。筆を下ろしたくても下ろせない状態。




そんな状況の中、私の手に、手を重ね合わせる人物がいた


尾の先にあるのは

新たなる絶望か

それとも・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ