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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第二章 キセキ視点 山から訪れたのは・・・

神社の裏手にある森から

変わった来客が訪れる

「おーい、巫女長さんやぁー」


「・・・あれ?坂音為さん?

 今日は猟に出たんじゃ・・・?」


突然神社の裏にある林の中から、猟銃を持った男性が出てきて驚いた。私はつい身構えてしまったけど、その顔を見てすぐに安心する。

彼はこの村の住人で、猟師をしている坂音為さかねいさん。

春の初めは、動物達が冬眠か一斉に目覚めて外に出る。その時期を見計らって猟をするのが、村一番の猟師歴を誇るサカネイさん。

冬に貯めた体力や気力を、この春初め頃に発揮するらしく、サカネイさんは仕留めた獲物を村の住人達に配っている。

春は基本、村の皆が活発的に動く季節。農家は暖かくなった大地に種を植え、釣り師は氷の溶けた川や池で釣りを始める。

だから皆、この時期になるとだいぶ夜遅くまで働いてしまう。冬を越した事で日が少し長くなり、休憩する時間すらも惜しくなる。

この病院に病院はない。ちゃんとした病院に行くには、山を二つ三つ越える必要がある。

だから村の皆は、なるべく体調を崩さないように気をつけている。でもこの春頃は、働きすぎた疲労で体を壊してしまう人も。

私は医術の知識も持っている。だから体調が悪くなった村人は、私の所に訪れる。元々私は本を読む事が好き、だから家の蔵にあった医術所を読んで勉強していた。

そしていつの間にか、医術のみではなく、色々な知識が身についてしまっただけ。

でも、そんな私の知識が村や皆の為に役立っていると思うと、勉強してきた時間は無駄ではなかったと、最近思うようになった。

仕事とは、常に怪我と隣り合わせ。農具の使い方を誤れば体が傷ついてしまうし、ちょっと足場を踏み外せば、川や池に落ちてしまう。

猟師だって、野生動物から反撃される事も珍しくはない。猪や熊に目をつけられると、無事では済まない事ぐらい私だって知っている。

でも、今目の前にいるサカネイさんの体には、傷一つない。それどころか、銃も使われた様には見えず、服もあまり汚れていない。

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