第十八章 キセキ視点 吹き返した息 蘇った・・・
「・・・それで、あの精鳥は今・・・」
「・・・・・うん
さっきまでは一緒にいたんだけど・・・」
私は、サバネと別れてからのウメの動向を、詳しく彼に教えてあげた。
ウメが人に変化して、私を探してくれた事。私と一緒に、短い間だけど村を目指して旅をしていた事。そしてサバネの命の恩人は、他でもないウメである事も。でも、ウメの姿は、今も何処にも見当たらない。
恐らく、倒れているサバネを見て、「彼はもう既に死んでしまった」と勘違いしたんだろう。
その話を聞いたサバネは、大きくため息をつきながら、視線を地面に向ける。
サバネはきっと今、申し訳ない気持ちで頭がいっぱいなのだろう。ウメはサバネの願いを叶えたい気持ちで此処まで来たのに、そのサバネが彼女の希望を折ってしまったのだから。
私はいたたまれず、何も言えなかった。ただ、小さくなった焚火に木をくべる作業だけを淡々と続けてる。
そして私は、サバネの治療の疲れもあって、少しウトウトしていた。サバネは自分の肩にかかっていた布を私に渡してくれたから、私はその布を被って、しばし仮眠をとろうとした
・・・その瞬間・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・!!!
「そして、『有為転変』が起こりゆる
朝を迎えた」