第十八章 キセキ視点 吹き返した息 蘇った・・・
「『起死回生』とはまさに、この事を言うのかもね・・・?」
さっきまで冷たかったサバネの体は、あっという間に暖かくなっていた。更に、もう身体中の痛みが薄れているらしい。
サバネ自身が、元々傷の治りが早い体質だったそう。火傷をしても、骨折しても、数回医師に診てもらうだけで治ってしまったらしい。
実は私も同じ様な体質だから、サバネの話はどれも私にも当てはまって、話を聞いていてとても楽しかった。
私の体の丈夫さは、仕事を始める前から何となく分かっていた。山へ遊びに行って、高い木から落ちても擦り傷で済んでいたり、冬に外で遊びすぎて凍傷を起こしても、翌日には跡も残らなかったり。
今は亡き両親からも、医者からも驚かれる、自己治癒力と身体能力の高さ。その話についていける人がいるなんて、思いもよらなかった。
私の話に、サバネは何度も「分かるよー!」と言いながら頷いてくれる。サバネの場合、治りが早いのは身体だけではなさそう。
私の場合、心理的なショックとなると、治りがだいぶ遅い。両親が亡くなった時なんて、1ヶ月丸々大泣きしていた事を覚えている。
でもサバネは、両親を旅の途中で失っても、ちゃんと村で一人暮らしできるほど立ち直ったんだから、ある意味彼が羨ましい。