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第十七章 村の子供視点 絶望にのしかかったのは・・・
「ねぇ、あれって誰・・・?」
女の子が指さした方向には、女性の人影があった。でもその人影に、俺と女の子は見覚えがなかった。その人影が、恐らく足音の主だろう。でもそれにしては、また妙な点がある。
旅人にしては軽装すぎるし、村の出入り口には、朝も夜も関係なく用心棒が佇んでいる。その用心棒に大金を払わないと、この村に入る事はできない筈。
多額の資金が収集できる門の警備を怠れば、いくら腕利きの用心棒でも、村長の手が下る。
だから何時も、村の門の前には用心棒が三・四人くらい常駐している。彼らの目を盗んでこの村に入る事は、不可能に近い。
なのにその人影は、淡々と村をウロウロと徘徊している様子だ。俺は必死に目を凝らして、その人影がどんな人物なのか探ろうとした。
「・・・・・っ?!!」
突然、その人影がどんどん大きくなった。
そう思った途端、俺の目の前が真っ暗に・・・・・
別の闇がのしかかる
それは『罰』なのか
それとも、『罪』なのか・・・?