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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第一章 キセキ視点 春の訪れ

そんな二人の間に生まれた私は、『そうゆう才能』すらも受け継いでしまった。

私は、生まれたばかりの頃からだいぶ異質だったらしい。生まれてから数日しか経っていないのに、支えなしで自分自ら歩いていたり、父と母が読む漢字や多国語だらけの本をすぐに読破したり。

それに、私は『見えないモノ』を見たり、触れる事もできた。でもそんな事をしていれば、いずれ私の体の心も病んでしまう。

そう思った両親は、私を学校には通わせずに、神社の仕事を経て、色々な事を経験させてくれた。

両親は、仕事の手が開くと私と一緒に遊んでくれた。神社の裏手にある森に行って虫取りをしたり、村近くにある川で釣りをしたり。

そして、私が五歳になった頃、ようやく村への出入りが許可されて、同時にこんな事実も教えてくれた。

この天野原は、『見えないモノ』が見えてしまう人が多く住んでいる場所だった。

『異様な存在』を引き付けてしまう人、過去に『異様な存在』によって、大切な人を奪われてしまった人も住んでいる。

天野原は、そんな人々が安心して生活のできる場所。元々この村を創立したのも、母の祖先だったらしい。

やっぱり、私達の様な体質を理解するのが難しい人だっている。中には良からぬ事を考えたり、トラブルに巻き込もうとする人だっている。

私も仕事柄、そんな経験をした事は何度もあった。石を投げられたり、理由もなく暴言を受ける事もあった。

理解のある人は、私達の体質をしっかり理解してくれる。でもやっぱり、そんな優しい人達を、自分達の事情に巻き込みたくない。

そう思うのが自然だった私達は、こうして固まって生活する事で、他人に迷惑をかけず、揉め事から避けていた。

そして月日が経つと、『見えない人』もこの村に住み始めたけど、彼らにも彼らなりの理由があった。

『異様な存在』が手にかけるのは、『見える人』に限られているわけではない。時には、何の知識も持たない人、自分の目に見えないモノは信じない人。そんな人々を無意味に襲う事も多い。

襲われてしまった人は、例え難い恐怖心を植え付けられる。そしてその恐怖心を一番理解できるのは、私達。この天野原では、『異様な存在』に襲われた被害者も、共に住み始める様になった。

私達は共に協力して、『異様な存在』をなるべく遠ざけながら、ひっそりと静かに暮している。そして私は、神社の巫女長として、この村の村長として、常に村を見守っている。


兆しが近づく・・・

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