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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第十六章 キセキ視点 事実と誤認

落ちてしまった花弁にも

黒い髪に、ボロボロになった着物が、木々の隙間から見えた。私が駆けつけるよりも先に、ウメは倒れている男性を抱きしめる。

周りに人の気配は無い、どうやらけが人を餌にした罠ではなさそう。でも私は念の為に、刀を左手で構えたままウメに駆け寄る。

ウメは必死になってその男性を揺さぶるが、返事はない。私はとにかくウメの気を落ち着かせようとするが、ウメは完全に半狂乱状態。

大声で泣き叫ぶと、麓にある村に聞こえる可能性もある。だから私は、一旦男性とウメを引き離して、ウメの口を自分の手で塞ぐ。

ウメは必死になって抵抗して、何度も私の手を全力で噛んだ。かなり痛いけど、今はとにかくウメを落ち着かせる事が先。

しばらくの間、私がウメを馬乗りにした状態が続いたけど、ウメはようやく観念したのか、突然ぐったりと動かなくなってしまう。私はウメが完全に落ち着いた事を確認して、改めて男性の状態を確認する。

だいぶ体を痛めているのか、あちこちにかすり傷や打撲の跡があった。体温はほとんど無く、夜の空気で冷えた地面と同じくらい冷たい。

顔を見ると、唇や鼻からは血が流れた痕跡もあり、頭を強く掴まれたのか、髪もだいぶ痛んでいた。






でも今思えば、私はそこで、もっと注意すべき点があったのだ。

もしソレに気付いていれば、『あんな事』にはならなかった筈なのに・・・


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