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第十五章 キセキ視点 見つけたモノ
「・・・キセキさん、頂上ってまだ・・・」
「もうすぐもうすぐ
今日は頂上で野宿しようよ。この前よりも星空がもっと近く見られるよ!」
「はっはいっ!!頑張りま・・・
っ?!!キセキさん!!!」
ウメが急に大声を上げたから、私は慌てて振り返る。ウメは道からそれた場所を指差しながら、涙をポロポロと流していた。
私はウメに近づき、彼女が指差した方向を凝視する。もうすぐ日が暮れるから少し見えづらかったけど、その場所だけ妙な違和感があった。
その場所から漂う血の臭い、さっきまでは聞こえていた動物の鳴き声は止まり、寒気すら感じる。私は一歩一歩近づきながら、持って来た刀を構えた。だが私よりも先に、ウメが違和感の正体を大声で叫ぶ。
「サバネっ!!!サバネっ!!!」
「そう、狂い始めたんだよ・・・
過去に直した筈の機械が、再び誤動作を起こす様に・・・」