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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第十四章 キセキ視点 仮説

ウメは言った、

「何で生活に苦労してなかった村長さんが、それほどお金を欲しがっているんですか?」


「贅沢な食事などをしなくても、生きていけるんですよね?」


「人を傷つければ、『お金』が手に入るんですか?」と。

私はその問いに、明確な返答をする事はできず、ただ一言、

「人間にはそれぞれ『価値観』というものがあるの」

とだけ答えた。

ウメの『お金』に対しての価値観は、あまり重要ではない考え方。身一つで生きていた動物にとって、それは普通で当たり前な事。

でも人間となると、話が変わってくる。『お金』が要因である事件や事故は、この大和だけではなく、世界中で起こっている。

時には『お金』が原因で、人が大勢巻き込まれた事件が起こったり、一つの国が滅んでしまう事だってある。

そして人間の、『お金』に対しての欲が強すぎると、動物や自然にも大きな衝撃を走らせてしまう。『お金』を稼ぐ為に自然を破壊して、動物達の住処を奪ったり、動物を乱獲して『お金』に変えたり。

そのツケがどんな形で帰ってくるのかも分からずに、欲に取り憑かれてしまった人間は、後先を考えなくなってしまう。

私は妖怪や悪霊退治などはできるけど、人間の欲が相手となると、だいぶ難しい。妖怪や悪霊は、普通の人間には見えないけど、見える人には見える。でも人間の欲は、どんな人間でも見る事はできない。

たとえ親族・恋人・家族・子供や孫であっても。ウメの話にあった、村長の奥さんや娘さんだって、村長の腹の中は見えなかった。

・・・いや、もしかしたら、見えていたのかもしれない。

でもその欲がどれほど濃いのかも分からず、村長がどれほど貪欲になっていたのかも知らず。だから村長に牙を向けられてしまった。


「・・・じゃあ村長さんは、欲に取り憑かれてしまったから、自分の奥さんや娘さんに、あんな事

 を・・・?」


「そうね、だって村長さんが欲に取り憑かれていなかったら、あんな事絶対にしない人だったんでし

 ょ?」


「・・・じゃあつまり、その『ヨク』に取り憑かれてしまうと、『あんな事』も平気でしてしまうんです

 か?

 家族を傷つけたり・・・

 村の皆を・・・」


「だからこそ、


 貴女は真っ直ぐで、美しい」

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