第十三章 キセキ視点 徐々に明るみになる・・・
近づく異変
近づく事実
近づく・・・
「焚き火作るの、上手ですね」
「まぁ、よく作ってるからね
湿ってる木が混じってると、飛び火したり火が長時間もたないの。最近は晴れ続きだったから、焚き木
集めには苦労しなかったね」
私は太い枝で焚き火を調節しながら、暖かい白湯を飲む。ちなみに今日の晩ご飯は、あのお茶屋さんで買っておいたおにぎり。
ウメは、自分の名前にもある『梅干おにぎり』に興味津々だったから、今日も野宿を楽しむ事にした。
「初めて食べる梅干しに驚くだろうな」と思っていたけど、案外そうでもなかった。気に入ったのか、すぐに完食してしまう。
味の感想を聞いたら、「酸っぱいけどご飯と合っていた」と、楽しそうに言っていた。私は少し一工夫して、塩おにぎりを焚き火に当てて、『焼きおにぎり』を作る。
若干焦げちゃったけど、香ばしくてすごく美味しかった。その後はぼんやりと焚き火を眺めながら、二人で白湯を飲む。
ウメは熱い物が苦手だったのか、何度も白湯に息を吹きかけて、飲んでは舌を出す繰り返しをしていた。
そこまで熱々にしたわけではないのだが、結局冷めきったお水を飲むウメ。余計な手間を加えちゃったのかもしれない。




