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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第十一章 キセキ視点 旅立ちと約束

そして次に必要になるのは、ウメの居た山、サバネの住んでいる村へ行くための準備だ。でもウメは、サバネの住んでいる村の名前を知らなかった。

でもウメが話の途中で言っていた、「『トウキョウ』に繋がる中間地点」という言葉で、ある程度見通しがつく。

私は仕事柄、トウキョウへ行く事が多い。だからトウキョウ周辺の地図も、数枚持っている。その地図と、ウメの話を照らし合わせ、村の位置が分かった頃には、もう夜になっていた。

サバネの住む村も、この村と同じく山に囲まれた地。そして、ウメの話によれば、村への出入り口は二箇所しかない。

ちなみに、この村の出入り口は一箇所しかない。普通の村だと、普通三箇所以上は出入口がある。

地図に記されたサバネの村と、この村からはだいぶ離れている。そんな遠い距離を、ウメはたった一人で歩き続けた。ある意味ウメが無事にこの村へ辿り着けたのは、『奇跡』だったのかもしれない。

場所がわかったら、そこに行くまでに必要な道具を揃える事。私が仕事に行く際に持って行くのは、ある程度のお金・着替えの着物一着・保存食数日分・かさ・仕事で使う資料など。

私の分は全て一式揃っているから、ウメの分は、仕事で同行する巫女に貸してもらう事に。

そして、出発する前に、改めて仕事の依頼を正式に受ける手続きを始める。これは報酬の話ではなく、仕事の大まかな内容など。

今回の仕事は報酬目当てではなく、サバネの村で起こった異変の解決だ。何故、優しかった村の村長さんが豹変してしまったのか。何故、村の家が殆ど寂れてしまったのか。

そして、できれば村人全員の身を保護する事。いつもの仕事内容とは若干違うけど、私一人でもなんとかなりそうだ。

それに私の勘では、今回の件に『妖怪』などはあまり関わってはいないと思う。けど、ウメの願いを叶えられるのは、恐らく私だけ。国のお偉いさんなどに話しても、一から話を信じてもらえないだろう。

ウメは人間ではないけど、それでも誰かを思う気持ちは、人間であろうと動物であろうと大切な気持ち。

私的にも、色々と気になる事件ではある。だから首を突っ込もうと思った。それに他の仕事の依頼も、今のところ来ていない。神社の留守番は巫女や宮司に任せて、早速翌日の早朝に出発する事に。

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