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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第八章 キセキ視点 利点と向かい風

そしてウメが特に楽しそうに話をしていたのが、『サバネ』という青年の話。サバネは、ウメが夜の山奥で助けた青年。ウメは彼の経緯も色々と教えてくれた。

最近、盗賊撲滅の為に国が動いている噂は聞いていた。しかしそれと同時に、盗賊達はその脅威を増したという噂も同時に聞いた。

恐らく、盗賊達は自分達の恐ろしさを世間に知らしめる為に、無関係な人を襲っているんだと思う。事情があるにしても、人を傷つけて金品を奪い取るなんて、決して許される事ではない。

近代国家が進むこの国に、昔ながらの蛮族が居る事が、都のお偉いさん方にとっては不快極まりないんだろう。

それこそ、この国へ観光に来た『外人』が盗賊の被害に遭えば、国の面目は丸潰れ。だから都側も蛮族側も、引くに引けない攻防が続いている。サバネは、偶然その被害者となってしまった。

でも、再び偶然は起きて、サバネはウメに助けられ、一命を取り留める。

ウメの話を聞いて分かったのは、サバネが動物好きで、とても優しい青年という事。サバネの両親が、未だに行方不明という事は残念だけど。サバネはしっかり村の住人として生きているらしい。

確かに、若い男性の力量は、どの職でも欲しい人材。女性でもできないわけではないけど、やっぱり得意不得意はある。この神社には男の宮司も働いているから、力仕事などは彼らに任せれば何の問題もない。


しかし、サバネの話をしている途中、ウメの様子が徐々に暗くなっていく。顔が青ざめ、体が震え始めている。

その姿を見て私は感づいた。ウメがあの場所で倒れていた理由に、サバネという青年が関わっている事に。

でも、気づくともうお昼を過ぎていた。とりあえず話は一旦止めて、お腹を満たしてから再開する事に。


「だからこそ、『本能の愛』は美しい」

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