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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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序章 喜世姫(きせき)視点 任務完了

でも幸い、仕事は完遂できた。私の目の前で蹲っている『数匹』以外、全て退治済み。後始末は仲間達に任せているから、私が最後の仕上げをして、ようやく事件に終止符が『一旦』打たれる。

蹲っている『数匹』は、地に頭をつけて、何度も謝罪の言葉を呟いていた。中にはまだ小さな幼体もいる。小さな子に謝罪を要求するなんて大人気ないとも思うけど、そんな事考えていられない。

私は『彼ら』に罰を与える為、数日かけてこの場所まで辿り着いた。被害情報は口で伝えてもらったけど、実際に見るとだいぶ悲惨な状況だった。

様々な人が飢え死に、村だった場所は荒れ果てていた。紅葉や果実の実りで、色鮮やかになっている筈の山が、地面が剥き出状態に。

その被害は広がり続け、国全体の問題にまで発展した。国中の作物が少なくなり、都も食糧不足状態になっているらしい。

私は都から離れた小さな村に住んでいるから、都での被害はあまり耳にしない。むしろ、今私が立っている、被害の中心地の話をよく耳にした。

のお偉いさんが、何度も武術に優れた人間を現地に派遣しても、殆ど失敗に終わっていたそうだ。でも、それは当たり前だと思う。

この異変の元凶は、普通の人間では対処のできない、『異質なるモノ』。

普通の刀や銃では、当然太刀打ちできない。だって普通の人間に、『彼ら』は見えないんだから。敗れて都に戻った人達は、大怪我を負ってしまったり、精神を病んでしまったりと、二次災害が起こっている。

『彼ら』は各地を転々としていたから、退治するよりも場所を突き止める方が大変だった。でも都のお偉いさんから、『強引に』過去の事件資料を見せてもらえたから、大方見当がつけた。

それに時期も丁度良かったから、私は場所が分かると、すぐに仲間を数人引き連れて向かう。

今回、仲間の皆も共に戦ってくれた。数が多いと私一人では分が悪い。仲間は今頃、自分達の傷の手当てをしたり、被害に遭った人々の救助をしているだろう。

でも私には、まだやるべき事がある。最後の最後の後始末をするのが、私の務めでもあるのだから。






「・・・・・・・・・・


 ・・・生きるか?」


「・・・・・?」


「罪を償いながら、生きる決心はあるか?」


「・・・!!」


「・・・・・そうか



 ・・・・・分かった、なら私も協力しよう」


「・・・?!」


「ただ『退治』するだけでは面白くない。それが私だからな

 でも決めた以上、頑張ってくれよ」



「・・・信じてるから・・・」

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