表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
16/84

第五章 ウメ視点 待ち焦がれた季節

彼の手に止まると、暖かい彼の温もりを久しぶりに感じて、ついウトウトとしてしまう。さっきまで全速力で飛び回っていた事もあって、まだ午前中なのに私の体はフラフラになっていた。

手から足を踏み外してしまった私を、サバネは慌てて受け止めてくれる。彼の手は少し硬いけど、私の事を気遣ってくれている思いが感じ取れた。

とても力持ちなサバネは、山で倒れた木を村まで運んだり、山の清水を樽いっぱいに入れて持ち帰る事もある。

でも私に触れる時だけ、その力は嘘のように消えている。でも、まだ私に触れる事に不安があるのか、若干手が震えていた。

多分、「握り潰しちゃったらどうしよう・・・」と、サバネは考えているみたい。だけど、何があっても彼はそんな事しない、私は自信を持って保証できる。

だってサバネは、私以外の動物にも優しい。だからサバネが山に少し姿を表すだけでも、山の中から色んな動物が駆け下りて来る。

今も、数匹のリスがサバネの着物をよじ登っている。彼も久しぶりに皆と会えて嬉しかったのか、満足そうに笑っていた。

サバネは手も暖かいけど、笑顔も温かい。だから、本能的に温かい場所を好む私達動物は、暖かいサバネが自然と好きになる。

そして彼は、冬を越した私にお祝いの言葉をくれた。


「冬越し、お疲れ様だな

 お互い」


『来ない春』はない

『終わらない季節』はない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ