第四章 キセキ視点 見通す
職業病は
時に便利で、恐ろしい
「私の事を知っている・・・という事は
私がどんな生業をしているのかも、知ってるんだよね」
「はい。妖怪や悪霊退治を専門とする、巫女でもあり、『陰陽師』と・・・」
「・・・そうね、本業は巫女の方だけど、今は後者の役目が増えてるから
もしかしてウメさん、妖怪とかに被害を受けたから、あんな場所で倒れてたの?」
「・・・半分合っていますけど、半分違うんです」
そう言ったウメは、自分の背中を覆い隠すように、体を丸めた。
「・・・キセキさん、本筋に入る前に、言っておかなければいけない事実があるんです
様々な怪異と遭遇して、解決している貴女なら、理解してくれると思うんですけど・・・
・・・実は私
『人間』ではありません」
「・・・・・
知ってたよ」
私の一言を聞いたウメは、一瞬で目を点にさせて、言葉にならない大声を発した。
神社前の掃除をしている巫女が、その声に驚いて様子を見に来る。でも、その巫女が何度ウメの事を呼んでも、ウメは全く動けないままだった。
やっとウメの気持ちが落ち着いた頃、私はその合間にお茶を入れて、昨日作った栗金団も持って来た。