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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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序章 喜世姫(きせき)視点 任務完了

夜が明ける頃

決着がついた

傷だらけになった自分の着物。


少し生暖かい左手。


私の周りにそびえ立つ木々は、傷だらけになったり、根本から折れていたり、まるで台風が過ぎ去った後の様だった。

砂埃が舞い、あちこちから混乱する動物の鳴き声が聞こえる。近くには、枝が折れた事で支えを失った鳥の巣が落ちていた。

卵がまだなかっただけでも幸いだった。でも、この騒動で怪我をしてしまった動物はいる筈。『仕事』の為とはいえ、無関係な動物や人間を怯えさせてしまった事は、本当に申し訳ない。

かなり慌ただしくなるとは予想していたけど、まさかここまで規模が大きくなるなんて、思いもよらなかった。

あちこちに健在していた自然を破壊してしまった事もあるけど、家も数件巻き添えを食らってしまった。

賠償なら私の方でも払うつもり。都側が私の報酬金も支払ってくれるそうだけど、そのお金は賠償に当てようと思う。

春に美しく咲く、この山の枝垂れ桜にも被害を被ってしまった。旅人達に人気のある場所なのに・・・。

私はなるべく、周りに被害を被らない方法をとった筈だけど、やっぱり数が多いと、結局は乱戦になってしまった。

それほど強くはない相手だったけど、さすがに私も疲れた。久しぶりに荒げている自分の息を、唾と共に飲む。

仕事前は真っ白だった巫女服が、あっという間に汚れてしまった。草履も両足壊れてしまったから、途中で何処かに脱ぎ捨てたまま。

足元の寒さに耐えながら、私は左手に持っている刀を鞘に収める。刀自体もだいぶ汚れてしまったから、なかなか鞘に収まってくれない。

両手もだいぶ汚れてるから、途中で刀が何度も手から離れそうになった。


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