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意外と早く分かる事情

「――で、一週間前に君は何をしたの?」

「ちょっと戦闘をな。無茶はしたがまあ痛み分けってことで……クソ、思い出して腹たってきた。あの回収屋の陰気野郎が――」

「いや、それはいい。右腕のこと。何をしたらこんな風になるのか気になって」

「……あー、それはな? ソニック社製の内蔵パイルバンカーをぶっ放した」

「……え? あれを本気で装備して使うバカって居たんだ。ドウズは痛覚切ってないんだからとても痛いでしょ」

「まあ相当。つっても、そのくらいは耐えれるけどな」

「わざわざ耐えてまで使うものじゃないよ。武器なんて」

「……ごもっともで」


 あれから一週間が経過したが、俺は工房で問診を受けていた。

 流石にリナに叱られて、ボロボロの俺を見てあの少女が目に見えて怯えてしまったのでしぶしぶ、その足で工房に向かったら一週間フルチェックを入れるから泊まり込みだと言われたのだ。

 


「というか、ビックリした。最近チェックに来ないと思ったら爆弾の直撃でも受けたみたいなボロボロの状態でやってきたし」

「ああ、実際に受けたしなぁ。流石に俺もそこまでひどい状態だとは思わなかった」

「状態としては全身の劣化。右腕が機能不全。足や腕の高負荷で半分エラー状態。もうちょっと無茶をしたら燃えてたよ」

「……あの警告、本当だったんだな」

「警告で嘘を付かれるわけがない」


 会話をしているのはほとんど生身の女性だ。一般的には美女と呼ばれる部類だろう。名前はロクヨウ。工房の主にして、俺の全身義体を担当した技師でもある。東洋の血が入っているらしく、褐色の肌をしているのが特徴的だ。まあ、生身とは言ってもあの少女と違って、流石に義体化はしているが。

 だが、義体率は10%程度で内臓系のみ。基本的に最低でも30%は義体化していないと不慮の死亡が起きると言われている中でも、さらに限界ギリギリ。生存に必須な最低限のラインだ。そんな女性が義体製作者であり、この界隈でもトップクラスに優秀だというから不思議なものだ。


「なあ、博士よ」

「私は技師だから博士プロフェッサーじゃない。その呼び方は不快だからロクヨウでいい」

「あー、そうなのか。悪いな」

「まあ、勘違いするのも仕方ない。研究も開発もしている。とはいえ、本来は技師」

「まあ、何でも出来るやつはなんでもしちまうからな……で、ロクヨウはなんで義体化しねえんだ?」


 あの少女を見て、思うことがあり聞いてみる。

 ロクヨウが義体化をしない理由次第では、あの少女は何かしらの助けになるのかもしれない。まあ、完全におせっかいだが。

 その質問の意図を考えているのか小首をかしげる。ロクヨウは表情にあまり出ないが、仕草やらで感情が読みやすい。


「……理由? わざわざなんで」

「ちょっとばっかしな。義体化しない理由があるなら手助けできるかと思ったんだ。おせっかいかも知れねえが、気遣って聞かない仲でもねえしな」

「……全身義体者の君の、そういう素直で直情的なのは褒めるべき美徳だと思う。だから答える。私が義体化を最低限にしているのは、技師だから」

「……ん? 技師だから? 自分で義体を試さないと感覚だの分からないんじゃねえのか?」

「そういう考えもある。だけど、私はむしろ生身から拡張する義体だからこそ、ベースである肉体を忘れてはだめだと考えている」


 ……ふむ? その理屈は初めて聞いたな。

 義体が義務付けられているからこそ、義体率を高くすることが良しとされる風潮だからな。とはいえ、義体率80%以上になると急に数が減るのだが。


「まず義体化について。簡単に言うと50%から80%の義体化が一般的。30%はほぼ最低ライン。これはいい?」

「ああ。俺みたいな全身義体やら9割以上を義体化するとなると、一気に数が減るんだよな」

「そう。それを生物的限界と名付けている。人間はベースとなる身体を喪失することに強いストレス……不快感を感じると言われている」


 ああ、たしかに。最初の頃に全身義体になってから違和感だのが大きくてしんどかった記憶がある。


「つまり本質的に人間は人の体をすべて捨てることは不可能。そして、義体化は、人間が生きるために発展してきた技術。生身の人間が機械に身体を置き換えて生き延びるためのもの。だからこそ、義体化に対して生身を捨ててしまうのは「義体は人の身体がベースである」という前提からズレてしまうと考えてる。独りよがりの考えになれば、開発するパーツや義体も生体を考えずに義体を拡張する思想に傾倒してしまうと考えてる。あ、これはあくまでも私の持論」

「いや、分かってる。大丈夫だ」

「うん。だからこそ、私は限界まで肉体を維持し続ける。義体でない人間は、どういうものを不便に思い、どこをどう拡張したいのか。生身はどこまで耐えられて、生身はどこからが危険なのか。それは生身を捨てると忘れていくものだから。義体の人間が求める義体なんていうのは、義体持ちに話を聞けば十分に作れる」

「……なるほどな。そういうもんか」


 あくまでも肉体を拡張するのが義体だから、肉体を理解するために生体を残し続けるか。


「納得した? それで、なぜ急にそんな質問を?」

「ああ、いや。ちょっとな。完全に義体にならずに生身で生きることの出来る技術……みたいな噂が流れててな。仕事でそれに関わるかもしれねえんだ。なんか知らねえかと思って」

「知るわけがない。それに、そんな技術は存在するはずない」


 バッサリと切り捨てられる。確かに、俺もそんな話を聞かれたらそう答える。

 まず、そんな技術を作る人間は存在しないだろう。中央に近いほどに義体前提で作られた街になり、廃棄地区に生きている義体率の低い人間も義体になることを望んでいる。一部の市街で生体至上主義とかいう、最低限の義体で生きることを主張してる変な奴らですら義体化は必須だと考えている。生身で生きることに誰も価値を見いださず、需要もなにもない技術というわけだ。

 何かの間違いで作っているような人間がいるとして、ではどういう技術なのだという話になる。肉体の改造ではなく義体が普及した理由は安定性と事故の少なさ。そして義体の便利さからだ。今更生身になって生きていくと言われてもほとんどの住人が二の足を踏むだろう。そのくらい義体は便利で安全な技術として発達してきた。


「急にそんな与太話をするとは……頭部を打った? 脳みそは生体のままで替えの聞かない場所だから、大切にしないとダメ」

「分かってるよ。あと、打ってねえ。変なことを聞いて悪かった」

「別に構わない。それで、身体にはもう問題はないはず。あと、ソニック社の装備は程々に」

「そりゃ無理だ。俺の趣味だし」

「……骨子パーツを砲弾にして撃ち出すのは本当にオカシイから。イかれてる。人間で言うなら腕の骨を撃ち出しているような武器。完全義体者だから使えるわけであって……」

「あー、分かった分かった。また説教は聞くよ。じゃあな」

「……無理はしないように。定期メンテナンスにはちゃんと来るように。無茶をするんだから、ドウズは」

「へいへい。分かってるよ。ロクヨウもちゃんと身体に気をつけろよ?」

「ん。じゃあね」


 その挨拶の後にロクヨウと別れ、工房を後にする。

 ……さて、翻訳は終わってるんだろうか。ちょっとだけワクワクとしている。知らない少女との会話。そういうのはロマンがあるものだ。



『……あー、おかえりドウズ……どうだった?』

「ああ、ちゃんと全身キレイにしてきてもらった……んで、どうした?」


 事務所に帰ってきたら元通りになっていた。まあ、それは一週間も経過しているし当然だ。しかし、疲れているような空気を出しているリナが気になる。

 それに、あの少女は……

 と、義体の隅を引っ張られる感覚。顔を向けるとあの少女がいた。


「おお、ここに居たのか」

『おとなしいもんだよ。食事に関してはなんか元から持ってたのを食べてたね。あと、私が注文したのも食べてたよー』

「水とかはちゃんと飲ませたか?」

『当然。流石に電子妖精になっても水分不足が一番ヤバいってわかってるし』

「……なんだ、ペットの世話みたいだな」

『あはは、たしかに』


 軽口で元気になるリナ。と、そこで所在なさそうにしている少女の頭を撫でる。


「おっと、悪かったな。それで……分かるか? 俺の言葉が」

「……えっと、その」

「ん?」


 聞き覚えのない声。いや、意味がある言葉になっただけでこの声は……

 見てみれば、怯えたよう……とも違うな。少女が不安そうな表情で俺を見ている。なるほど、こういう声だったのか。言葉が理解できないと声を音として認識しづらいんだよな。


「……こ、こんにちわ」

「ああ、こんにちわ。俺はドウズだ。覚えてるか?」

「うん、覚えてる……助けてくれた、ゴーレムの人」

「……ゴーレム?」


 リナを見る。リナがメガネを掛けた電子体で解説し始める。

 ……こいつ、形から入るの好きだよな


『はーい、リナ先生からのお勉強時間ねー。神話で登場する泥人形のこと。まあこれは私達の意味だけど。元の言葉は胎児で、人間が意図的に泥から人間を作り出そうとした存在がゴーレムになるね。そこから転じてアンドロイドやら、人形機械を指してゴーレムって言う場合もあるよ。ちなみに、元の言語と一番近い言葉を当てはめたからそうなっただけなんだけどね』

「……俺は機械じゃねえぞ」

「……えっと、怪物……?」

「人だ人。ちょっと改造されてるだけのな」

『まあ、全身義体は珍しいからね。アンドロイドと思われても仕方ないんんじゃない?』

「……人、なの? それなら……ごめんなさい」

「まあ悪意がねえならいいさ。子供は間違いをしてなんぼだからな」

「私は子供じゃない……」

「ははは、そうか。すまねえな。なら、名前を教えてくれるか?」


 意外と普通の子供だな。色々と不安にも思ったが……これなら普通に付き合っていけるか?

 しかしゴーレムなぁ……そういう言葉を使う文化の場所ってなんだ?


「私の名前は※※※」

「ん? 今なんて言った?」

「※※※……」

「……分からん」

『それそれ。それのせいで疲れてるの。言語学者は狂喜乱舞してたけどつきあわされるこっちの身にもなってほしいのよね。リソース3割以上持っていかれるんだから』


 気怠げなリナの声。ふむ、詳しいことがわからん。わざわざ音声を義体越しに伝えてきているくらいに疲れているみたいだ。


「どういうことだ?」

『完全に未知の言語だったせいで、翻訳出来ない言葉もあるの。一週間で八割は翻訳できたけど……対応する意味を持った言葉がないから意味が不明なのがいくつもあってね。日常的な当たり障りない会話なら良いけど固有名詞とかも怪しいしその子の名前も翻訳できないって感じ。あくまでも近い意味で本来はもっと違う言葉だったりすると思うよ』

「……そんなにか」

「よくわからないけど……私の名前聞こえないって聞いた。なら、私のことはユーシャって呼んで」

「ユーシャ?」

『そうそう。便宜上の名前だけど、それがいいんだってさ。勇者を名乗るって面白いよね』

「そういう意味なのか」


 ……ユーシャなぁ。まあ、ちょっと変わっているがいいんじゃないだろうが。女の子に付ける名前かどうかで言われれれば首を捻るが。

 さて、とりあえずは話を聞くとするか。


「さて、それじゃあ話を聞かせてもらえるか?」

「うん。でも、その前に……あの、この前はありがとう。私のせいで……その、怪我をしたみたいだから……」

「ん? 気にするな」


 そう言って頭を撫でる。子供のそうやって心配をさせるのは大人としてはあまり良くないことだ。格好をつけるのは俺の趣味みたいなものだ。

 こうして、全身義体になり人間の体の頃を忘れていくからこそ、人間らしさを。俺らしさを忘れないようにする。一種のライフワークだな。


「……あたま……」

「……っと、悪いな。勝手に女の頭に触るのはマナー違反か。悪いな、俺が無遠慮だった」

「う、ううん。大丈夫。あんまり慣れてないからびっくりした……」

「そうか……」


 少しだけ気になったが、話を聞いて事情を理解するのが先だ。


「さて、質問は……リナ、どこまで聞いた?」

『んー? 全然聞いてないよ。翻訳で必死だったもん。というか、その子変だよ』

「……私、変?」

「どこがだ?」

『気づかない? これ、聞こえてるんだよ?』

「ん? ……あ」


 すっかり失念していた。今、リナは俺の義体に干渉して直接話しかけている。音を介さない会話だ。だからこそ、義体率の低い人間に対しては電子妖精は干渉されず、干渉できない。また、肉体を持たない電子妖精の性質を利用して機密の会話への盗聴なども行われる。そのくらいに、電子妖精の会話は機密性が高いものだ。だというのに、ユーシャは俺たちの会話を聞いている。


「……なあ、なんで聞こえるんだ? 俺とリナの会話は聞こえないはずなんだが」

「え……? だって、聞こえるから……」

『最初さー。わざわざスピーカー用意してたのにスピーカー介さない会話を聞き始めてもう驚きすぎてデータぶっ飛びそうになったよね。完全に未知の言語でこっちの翻訳頼りだったから、最初こそ気づかなかったんだけどさー。翻訳試す毎にこっちの会話理解して怖かったんだよー』

「……なるほど」


 よくわからんが、どうやらこの子は電子妖精が見えて、電子妖精の声を物理的に聞こえるわけだ。

 ……義体化を一切していないのに?


「オカルトか?」

『そうそう! もう存在がオカルトだよ! どういう理屈なの!? データを見ても人間じゃん! 未知の器官もなにもないじゃん!』

「え、えっと……」


 と、完全に怯えさせている。まあ、いきなりリナがブチ切れて俺も困惑してるからな。

 

「っと、悪いな。怯えさせて。こっちも混乱しててな。まあ、とりあえずユーシャ。お前さんはどこから来たんだ?」


 本題にして核心。この子がどこから来たのか。

 この情報さえ分かれば、『楽園』だの実験体だの、いろんな疑惑に答えが出るわけだが……


「私は……※※※※から来たの」

「……なんだって?」

「※※※※」

『あー、ごめん。その言葉は翻訳出来ないから言い換えてくれない? もっとこう、違う人種とかに言うレベルで』


 その言葉に悩んだように、眉根を寄せる少女。

 悩ませて申し訳ないが、それでもこちらとしてはこの子の言葉だけが手がかりだ。


「……こことは、違う世界」

「……違う世界?」

「そう。違う世界。多分そう。私が※※※※で飛ばされてきて、迷い込んだんだと思う」

「……ふむ」

「多分……えっと、異世界?」


 その言葉にリナと視線を合わせる。

 飛ばされてきたのは、まあ俺は現場を見てるから納得できるが……


「どっちだと思う? 妄想か、洗脳か。迷い込んできたってことは『楽園』って線はなさそうだ」

『あはは、その二択なんだ』

「仕方ないだろ。流石に」


 全くの未知の言語と言う要素はある。

 だが、子供のいう違う世界などティーンズ小説の世界で見るようなファンタジーだ。

 信じられるかどうかで言えば……


「信じられねえってのは確かだ。洗脳教育をしているか、子供らしく妄想と現実を混同してるかのどっちかって思うのは確かだろ」

『まあねー』

「……妄想じゃない」

「あー、いや。悪いな。お前さんを疑うわけじゃないんだ」

「証拠を見せる」


 そういって水晶玉でも持つような手付きをして、目を閉じる。

 ……ああ、子供の頃は誰だってそういう時期があるもんだよな。


(懐かしいな……俺も全身義体になる前には人間の体で義体術の達人になって、サイボーグをバッタバッタなぎ倒すみたいな夢を……)

『ね、ねえ。ドウズ? なんかすごい量のエネルギーが集まってるよ? プラズマ? プラズマなの?』

「は? どういうことだ? 後プラズマも前時代のオカルトだから……」

「きゃっ!?」

「は?」


 ドオンという轟音がして、目の前を見ると俺の目の前に突如として火柱が立っていた。

 比喩じゃない。爆発音とともに目の前にまるでコンロがぶっ壊れたかのように、天上に届く火柱がなにもない少女の手から発生していたのだ。思いっきり天上を焦がしている。


「……は?」

『……え?』

「あ、わわ! ※※※!」


 何かを言うと、急に火が消える。俺もリナも、今目の前で起きた現実に驚きを隠せない。あれだ。現実離れした事態に対して、本当に思考が止まるんだな。

 手品でもなんでもない。そんな物があれば分かる。一切火の気もなく、手から出していたわけでもない。中空から天井に届く火柱を上げる方法なんざ、存在しない。というか、天井が思いっきり焦げて融解している。また崩れねえよな? 不安になってきた


「……え、えっと……これでいい? あと、天井……ごめんなさい」

『え? ええ? なにそれ!? なにそれ!? どういう理屈、どういう原理!? もー、わかんない!』

「リナ、落ち着け。とりあえず……天井を治すか?」

『ドウズも混乱してんじゃん!』


 ぎゃあぎゃあと二人で騒いで、それを困った顔で止めるユーシャ。小一時間、コントのようなやり取りを終わらせてようやく落ち着く。


「……じゃあ、詳しく話してくれ。ここに来た経緯を」

『そうだよね。それ聞かないとね。長かったなー! その言葉に行くまで!』

「うるせえ。お互い様だろ」


 無駄にした時間は忘れて、俺とリナはユーシャに話を促す。

 その言葉に頷いて、ユーシャは話し始める


「……私は、※※※と言う場所に住む人間で、その世界では……ええっと、通じるかな? ※※※っていうのがある」

「わからん」

『あー、ちょっとまってて。……もう一回言ってみて?』

「えっと、※※※」

「もう一回」

「うん……魔法」

『んー、おっけー。多分これじゃない? 当てはまる概念って。超能力とかでもいいけどなんか違うっぽいし』

「分からないけど、伝わったならいい。※※※を使って、奇跡を現象を起こすのが魔法。私の世界では、才能のある人がその力を使っているの」

「……まあ、形態化してる技術なら超能力よりは魔法だな」


 ……本格的にファンタジーだな。俺がガキの頃なら大喜びをしていただろう。飛び上がって異世界に行って大冒険。ロマンがあるじゃないか。

 ――いや、なんだ。まあ……今も嬉しくないわけじゃないが。正直に言えば、異世界の存在というだけでワクワクはしている。

 あれだな。いくつになっても男っていうのはガキだ。


「それで、次は何だ? 聞かせてくれ」

『ドウズ……何興奮してるの? ちょっとキモい』

「……悪いな。」

「えっと、その……私が、飛ばされた経緯は長くなるけど……」

「ああ、邪魔はしない。ゆっくり言ってくれ」

「うん……それは――」


 そうして、息を整えてゆっくりと語り始める。

 現実離れした、それでも現実で起きたユーシャの話を。

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