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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
第4章:野盗と戦争
37/56

第三十六問「夏休みの予定」

よろしくお願いします。

ここから4章です。リアルパートはほのぼの行きます。

7月18日 5:50

10分で朝の支度をして、日課のランニングに出かける。

さすがに朝とは言え大分気温も高くなり、普通に走っていると汗だくになる。

いつもの公園に着いたところで時計を確認すると6:05を示していた。


そこからまずは息を整えつつ広域気配探知を行う。

公園の中にはいつもの犬の散歩をしている人が4組いるだけ。

ほのかと水菜ちゃんは……もう起きて朝の支度をしているみたいだ。

あの七夕祭りの日から僕たちの日常は少しだけ変化していて、朝の日課にふたりが参加するようになった。

えっと、この感じだとあと20分くらいは時間がありそうなので、その間に出来ることをしておこう。

そう思って、まずは周囲10mに気の幕で遮断結界を張る。これで結界内の音や振動、気のエネルギーが外に漏れなくなる。

続いて気弾を創り上げていく。まずは普通の球形の弾を大量に。続いて槍を10本。槍は先日の水菜ちゃんとサラの攻撃をイメージする。最後に爪も5組。こちらは師匠をイメージ。

そこから弾は完全に無秩序で変則的な動きをさせ、逆に槍と爪は連携して僕を狙うように動かす。

それら全てを避け、捌き、時には掴んだり打ち砕きながら結界内を駆け巡る。

後半になるほど数が減って、代わりに速度と威力が倍増していく。そして最後の一つになったところで受け止めて終了。今日も最後の一つは空に浮かぶ月に向かって投げておく。


ぱちぱちぱちぱちっ♪


息を吐いて結界を解いた所で拍手が送られてきた。ほのかと水菜ちゃんだ。

「おはよう、天道くん。なんか見る度に凄くなってるね」

「おはようございます。お兄さん。わたしじゃもう目で追うのがやっとです」

「おはようふたりとも。でも見えるだけでも凄いんだよ。普通なら何年も修行しないと見えないんだから」

水菜ちゃんが渡してくれたタオルで軽く汗を拭う。

ちなみに、僕ももう自分がやってることがただのイメージトレーニングではなく、実際に凄いことが起きてるんだって分かってる。まぁ公園までの10kmの道のりを10分足らずで踏破する前に気付けって話ではあったんだけど。

「それじゃあ、今日もいつものから始めようか」

「「はい」」

そう言って僕たち3人は手を繋いで輪を作り、瞑想を始めるのだった。


それから30分くらいが過ぎた頃、今日の修行を終える。

「ふたりはもう夏休みの計画とかは立ててるの?」

そう2人に聞いてみる。

「うちはお父さんのお盆休みに合わせて旅行に行こうかって話があるくらいでそれ以外は未定よ」

「わたしもお店のお手伝いをする予定ですけど、お父さんからお友達と遊ぶ予定を優先しなさいって言われてます」

ふむ、2人とも今月中は特に予定はなしと。よし。

「それならさ、来週の月火で海に行かない?3人ででも良いし、お友達とか家族を誘ってでも良いし」

「海ですか!?お兄さんと海なんて素敵です」

「そうね!折角だから3人で行きましょう」

「あ、そうすると、水着も新調しないとですね」

水菜ちゃんは身長だけで言っても今年に入ってから10cm近く伸びているらしく、去年の服は軒並み着れなくなっているそうだ。

「それなら私も買いたいから、日曜日に一緒に買いに行きましょう。もちろん天道くんが選んでくれるのよね」

「良いんですか!ありがとうございます。今から楽しみです」

って、返事をする間もなく僕が選ぶことが確定してしまったみたいだ。まあ、ふたりとも喜んでくれてるから良いかな。

「って、それはともかく、天道くん。月火ってことはお泊りなのよね。宿の手配とかお金とかって大丈夫なの?」

「あ、そうです。水着とか買うと今月のおこずかいじゃ足りないかもです」

さっきの盛り上がりが一転して不安そうになってしまうふたりがちょっと可笑しかった。

「あははっ。うん、心配しないで。実はこの話、もともとは僕が月曜日に仕事の打ち合わせで海に行くんだけど、その相手の人が別荘を持ってるらしくてね。どうせ海まで来るんだから別荘貸してあげるから友達誘って遊びに来なさいって言ってくれたんだ。だから宿泊費はタダだし交通費も支給されるから皆の負担はゼロだよ。むしろ臨時手当を貰っちゃったから、それでふたりの水着くらいなら買ってあげられるよ」

「わぁ、そうなんだ。って天道くん、お仕事っていうのは?」

「前に僕が小説書いてるって話はしたよね。それが今度映画化することになったみたいなんだ。それで、その映画の監督さんと一度顔合わせしましょうって事になったんだ」

それを聞いた二人がぽかんとしてる。

と思ったら凄い勢いで迫って来た。

「って、お兄さん!なに他人事みたいに言ってるんですか。映画になるって凄いことですよ!」

「そうよ!!それに天道くんがそんな凄い作家さんだったなんて聞いてないわよ!!」

「あーうん、まだ自分でも実感なくてね。先週1週間で仕上げた原稿もほとんど修正なく通っちゃったし。そう言えば僕のペンネームは伝えて無かったっけ」

「「聞いてない(わよ)」」

今度は凄い勢いで首を振ってる。まぁ僕のペンネームくらい教えても大したことないよね。

……そう思ってた自分を笑ってやりたくなるくらい、2人の反応は凄いものだった。


あ、いや。ほのか。握手してもいいですかって、ついさっき手を繋いでたよね。

水菜ちゃんもサインとかもらってどうするの?え、お店に飾る!?

毎日クーラーの効いた部屋で寝て過ごす。なんて答えたあなた(作者)!

ちゃんと夏らしいことをしましょう。


そしてしっかりとお泊りデートを取り付けるほのか。

あ、もちろん部屋は別ですよ。

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