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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
第2章:過保護な子育てとスパルタ教育
22/56

第二十二問「そして舞台の役者は揃った」

よろしくお願いします。

気が付いたら話数と日付が一致してる奇跡。

ガンバレ毎日更新。

世界樹に会ってから(現地時間で)1月半ちょっとが経った。

最近の僕の日課は、ログインと同時に師匠に追い立てられるようにランニングし、師匠と共に山谷を駆け回り、獲物を狩って解体や皮のなめし方、骨の加工の仕方などを学び、師匠に稽古をつけ(ボコ)られ続ける。

ちなみに割合で言うと稽古が8、その他2ってところ。

そして今は稽古の時間。僕は右手に自作の杖を持って広場の中心に立ち、軽く目を閉じて周囲に意識を広げる。

……来た! 今回は右手後方からか。そちらに視線をやると、横殴りに大粒の雹が降ってきたかのように軽く100を超える魔弾が飛んできていた。1つ1つの大きさは大したことないけど、ここへ来た最初の頃の僕ならこのうちの1発でも喰らえば、戦闘不能、当たり所が悪ければ即死するほどの威力が込められている。

僕は体の周りに薄膜の様に魔法障壁を展開しながら体を転回させて回避行動を取りつつ、それでも当たるコースの魔弾を時に杖で弾き、時にこちらからも魔弾を生み出して弾道を逸らす。


『ふむ、この程度ではもう足りぬか』


どこからか師匠の念話が届く。いえ、師匠。もう限界ギリギリです。そう思ったのもつかの間、次が飛んでくる。弾数はさっきとそれほど違わないけど、今度は前後左右上下、速度も違えば曲線を描いているものも混じっている。


以前、師匠に質問したことがある。これと同じように全方向から攻撃が飛んで来た場合、師匠ならどう対処するのですかと。

師匠は、守るべきものが無ければ、と前置きを入れてこう言った。一方に突撃し、飛来する弾丸よりも早く走り抜けると。もちろん走った先にも弾はあるだろうが、その程度はどうにでも処理できる。と。

実に師匠らしい豪快な対応だけど、実際に直面すると他に無い気もしてくる。その場にとどまってガードしていてもじり貧で、いつかは防御を抜かれる。ならば活路を見出す為にも動くべきだ。

瞬間的に周囲の弾丸の速さを見抜き、一番早い左前方に向けて、魔力シールドを展開しながら突撃する。

シールドに魔弾が衝突するも、何とか耐えきって包囲網の外に抜ける。


『その判断は悪くない。ならばっ』


そう聞こえたかと思った瞬間、音速を超えた師匠の斬撃が頭の上から振り下ろされる。咄嗟に杖を掲げ切り裂かれるのは防げたが、そのパワーに一瞬も耐えることが出来ず吹き飛ばされる。さらに吹き飛ばされた先には先ほど避けたはずの魔弾が待ち構えていて、僕の魔法障壁をあざ笑うかのように次々と打ち込まれ、僕をボロ雑巾のようにしていく。


「ぐはっ!!」


最後の1発が消える頃には、HP残り1と言いたくなるような絶妙な手加減で死んでいない僕が残った。なんとか残りかすの気力を振り絞って自分に治癒魔法を発動して一息付く。ちなみに師匠は治癒魔法は苦手らしく、助けてはくれない。

『我は生まれてこの方、治癒魔法が必要になるほどの傷を負った事が無い、多少の傷ならすぐに回復するしな』

だそうだ。相変わらずの最強っぷりである。

その代わりと言っては何だが、毎回ボロボロにされるお陰で僕の治癒魔法は大分上達してきたと思う。五体満足な状態であれば10秒もあれば動けるくらいまで回復するし、腕を吹き飛ばされても集中すれば1分くらいで元通りに出来る。もっとも、10秒あれば100回は殺せる。3秒で完全回復しろ。とは師匠の言だけど、そこまで行くと人間辞めてる気がする。

そんなことを考えながら、ようやく立ち上がった僕をみて師匠は言った。


「大分、様になって来たな。後は継続して鍛える事で、近い将来、我の一撃を受けられるくらいにはなるだろう。……お主に出会ってからもうすぐ2か月。世界樹との約束の日まであと少しだが、お主の方の準備は出来ているのであろうな」

「はい。師匠をはじめ、協力をお願いしている友人たちは今日中にここまで来てくれる事になっています」


そう、リアル時間で明日。つまり次回ログインした時が世界樹との約束の日だ。その為にほのかにお願いして演劇部の牧野さんを紹介してもらい、明日の脚本を書いてもらって、何度も確認してきた。うん、世界樹とも何度か打ち合わせをして、今日まで何度も伏線を張ってもらった。後は天に祈るだけだろう。

っと、皆が来たみたいだ。


『やあ、兄弟。少し見ない間に随分たくましくなったみたいだね』

『ご無沙汰です、テンドウ殿。召喚を受け、カゲロウ以下、アサシンレッグスパイダー並びにキリングレッグスパイダー1200名参上しました』

「うん、アシダカさんもカゲロウも、他の皆も。僕の呼びかけに答えてくれてありがとう。決行は4日後の10時。詳細な動きは今から説明しますが、この作戦の成功はみんなの動きにかかっています。一人一人が目的を理解したうえで最善の行動をしてくれることを期待します」



そうして僕たちはその日一日を使って目的の再確認と各自のやることをチェックしていった。

戦闘シーンを書いていたら1話が埋まってしまった。

ちなみに、主人公が強くなりましたが、敵と戦うシーンは数回あるかないかの予定。

だから俺TUEEEは期待しないでください。


そして劇の一番の心配事は主人公のセリフ回りだったりします。

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