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時の女神と社畜な俺~女神に騙され扱き使われる…~  作者: 村山真悟
第一章 社畜は上司に恵まれない
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File・4 部署は決まるが意味不明?


「では、私から…私の部署は時の編纂になります。時の流れは不安定かつ流動的です。時の流れ全てを記録し、場合によっては繋ぎ直す部署となります」


 う~ん、意味が分からない。


 なに言ってんだろ?


 首を傾げていると分かり易く説明し直してくれた。どんだけ、人材が欲しいんだってほどに…。


「簡単に言いますと……神様のお仕事です」


 はぁ?なに言ってんだこの人?


 そっちの方が分かりにくいんだが…。


 俺は無言で彼女を見つめる。


「そうねぇ、神の代行ってことね。まぁ、道路工事に近いわね、時というデコボコとした道路を工事して綺麗な道路を作り上げる。そういう仕事ね」


 うん?


 何だか理不尽な気がする。


「つまりは、都合の悪いモノは切り離して自分達に都合の良い世界を創るって事ですか?」


 俺の素朴な疑問に、気のせいだろうか?


 周囲の空気が固まった気がした。


 けれど、間違っていないはずだ。


 よくある時間物の小説や漫画を読んでていつも、俺はそんなことを思っていた。


 だってそうだろ?


 主人公達には必要なくてもほかの人たちに必要な時間枠があるかもしれない。


 謙虚に言っても俺は横暴だと思う。


 そんな俺の発言に彼女が不敵な笑みを浮かべる。


「…まぁ、あなたならそんな考えを持つかもしれないわね……面白いわ、この娘の部署にしましょう」


 彼女の鶴の一声にパジャマ幼女は満面の笑みを浮かべ首が折れるんじゃないかと心配になるほど縦に振っていた。


 そうして決まった俺の新たな職場は時空管理局第一編纂部であり、嬉しそうに前を歩くパジャマ幼女について行くことになったんだ。


「うふふふっ、新人君がうちの部署ぉ~。今日からゆっくり寝られるぞ~。うふふふっ」


 チラリと俺の方を振り返り、ニヤニヤと笑いながら奇妙な鼻歌を口ずさむ幼女の姿に俺の不安は最高潮に達している。


 そして、この手の不安が外れたことがない。


 社畜の特殊能力に近いかもしれない。


「あのぅ~」


 とりあえずコミュニケーションが大事なので気分良く歩く幼女に声をかける。


「なぁ~に?新人君、新人……うふふ」


 何が楽しいのか理解できない。


 まぁ、とりあえず名前を知るのが先決で……って、そういえば結局、面接官兼時空管理局のたぶん偉い人?の名前を聞きそびれてたな……。


 なんとなく一抹の不安を覚えたものの先ずは目先の上司、パジャマ幼女の名前を知ることが先決だろう。


「えっと、なんて呼べばいいですか?」


 俺の質問に幼女はとびっきりの笑顔を俺に向けて誇らしげに一言。


「先輩と呼びなさい」


 いやいや、名前を聞いたんだけど?


 先輩って呼べって…。


 だから、先輩の前に必要なもんがあるだろ?


 心の葛藤を押し殺し俺は飲み込んだ。


「…はい、先輩」


 その言葉に満面の笑みを浮かべる先輩の姿。


「よろしい、新人君。じゃあ、行こう」


 新人君で確定なんだね。


 うん、何となく分かってたさ…。


 けど、新人君と先輩ってどうなの?


 俺、やっていけるか心配なんだけど…。


 項垂れる俺に対して先輩幼女は軽やかなスキップで俺の前を歩いて行く。


 そして、俺は再就職を果たすのだった。

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