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時の女神と社畜な俺~女神に騙され扱き使われる…~  作者: 村山真悟
第一章 社畜は上司に恵まれない
19/20

File・18 疑問を抱いたら負けです…

かなりの不定期掲載です…


わすれてませんよ…


では、どうぞ

(o_ _)o


 スクルド先輩が上司に問い詰められている頃、おれはというと……うん、皆様のお察しの通りです。


「うわわわわぁ~!?」


 未だに空?を飛んでいます。


 彼女に蹴り上げられ、どれだけの時間が過ぎたのかすら判らないけれど未だに失速する気配すらない。


 俺の叫び声が後ろで聞こえたときは自分の耳を疑ってしまった。だって、音が遅れて聞こえるって……俺ってば、どれだけの速度で飛んでるの?って話だ。


 さすが神々の住む世界、俺の常識が一切通用しない……ってか、自分で言うのも何だが俺って結構、余裕だな……この世界に馴染んできてるのか?


 昔からよく職場で言われてたことを思い出した。


 ーー先輩って、この仕事は長いんですか?


 同期の奴に言われました……。


 どうも俺は職場に溶け込むのが早いらしい。


 別段、特別なことをしているわけではないんだが学生時代もバイト先で言われたことがある。


 まぁ、浮いてしまうよりはマシだが…ってか、俺はどこまで飛んでいくんだ?


 全てが白い空間のため遠近感なんて分からない。


 無限に続くかのようにひたすらとその身を飛ばされながら器用に胡坐を掻き胸元で腕組みする……。


 前を見ても下を見ても真っ白な空間、果てしなく飛び続ける俺………詰んでねぇ?


 若干の不安にイヤな汗が流れる。


「…さて、どうやって止まろうか」


 不安を誤魔化すように呟きながら思案する。


 けれど、何も思いつかない。


 途方に暮れてしまうな……。


 そんなことを考えていた俺の意識に何かが急激に近付いて来ているのを感じ取り背後へと視線を向けた。


「何あれ?」


 思わず口に出してしまう。


 いや、だってね……真っ白な空間に馬鹿でかい手が俺の背後に近付いてきてるんですよ?


 恐怖以外何ものでも無い…空を飛び続けてる俺には近付いてくるその手から逃げる術はない。


 徐々に近付いてくるその手に不安マックスの状態でひたすら飛び続けてた俺の身体が不意に何かに首根っこを引っ張られるようにして急停止した。


「ぐぇっ!?……うんっ?止まった?って、えっ!?」


 突然のことに意味も分からず俺は瞳を瞬かせながら現状を理解しようと周囲を見渡したんだ。


 先程までまだ距離があったはずの手が何時の間にか俺の首根っこを掴んでる。例えるなら子猫の首根っこを持ち上げてる状態が近いかな?


 そして俺は空中でだらりと両手足を伸ばして項垂れた。


「…なんなんだ、一体?」


 ただね、俺の脳裏に嫌な予感が過ぎったんだよ…。


 ほら、こんな場合ってさ…大体は元の位置に引き戻されていくってのが相場は決まってるんだからさ。


 俺は引き攣った笑みを浮かべながら襟首を掴んでいる馬鹿でかい手を見つめると、それは微かに震えた。


 まるで俺の予想が正解だと言わんばかりに頷いているように見えるんだけど………まさかねぇ。


「なぁ?」


 指先?と思わしき部分を軽く叩いて声をかける。


「これって……戻される?」


 俺の問いに手首?部分が上下に動く。


 頷いている様に見える…。


「だよね……」


 俺はガックリと項垂れた。


 そんな俺の姿に白い手は手首をぶらつかせる。まるで柔軟体操しているみたいに……うん、そろそろだ。


 2、3回、グルグルと手首を回した白い手は何の躊躇もなく俺を投げ飛ばした。


 なんだろう、人間って諦めたらここまで達観できるもんなんだね……。


 俺は元の場所へと戻っていきながら妙に冷静な自分に少し、ほんの少しだけ異常だなって実感したんだ。


             *


「あぁ~、帰ってきたわね」


 遠くで彼女が俺を見つめていた。


 まぁ、それ以前にスクルド先輩の姿に俺は思わず視線を逸らしてしまったんだ。


 いいか、社畜なら上司の醜態は見て見ぬふりするものだ。なにせ、部下に対してプライドがある。


 決して目を合わせるべきじゃない。


 待っているのは陰湿な復讐だから……。


 まぁ、そんなわけで俺はスクルド先輩を見ないようにしながら彼女に引き攣った笑顔を見せる。


「なによ?その顔は?」


 眉間に皺を寄せ胡散臭げに俺を見つめる。


「あれ、なんですか?」


 クイッと俺は背後を指差す。


 うん、空中には俺を投げ飛ばした白い手が身体?をくねらせながら待機していた。


「あぁ、あれね。あれは見ての通り…手よ」


 いやいや、そうでしょうとも!手、それ以外には見えませんものねぇ……ってか聞きたいことはそうじゃないんだが……。


「…なに?疑問でも?」


 彼女の冷たい瞳が俺を見つめる。


「…いえ、ありません」


 そう、聞いた俺がバカだっただけ……。


 まぁ、それは良いとして…スクルド先輩は何で呆けてるんだ?意味が分からないんだが俺が飛ばされてる間に何があったんだ…。


 見た目は精根尽き果てたって感じなんだけど?

 


読んでいただき有り難うございます

(o_ _)o

かなりの不定期掲載ですのでご了承いただけますと有り難いです


では、失礼いたします。


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