No.6
これで少し進んだ感じですよね
まだまだ先はみえませんがお付き合い願います
兄たちはそのまま救護室へ向かっていった
保健室、と呼ぶ者もいるが子供っぽいという意見が多い
「どうしよう...」
お見舞いに、行くべきだろうか
しかし、ロッドも兄も自分が敗北を喫して傷だらけの姿を
見せたくはないと思うに決まっている
行くべきではない、のだろうか
周りの人々はこんなことを囁きあっていた
「なんだ、ずいぶんなやられっぷりだったなぁ?」
「あぁ、特にあの真っ赤な髪の奴は酷いな」
「知らないのか?あれがドレイクだぞ?」 「マジで?あれが、か?」
「っ...」
悔しい、兄がどれだけ頑張っているのか誰も分かっていないのが
じわっと熱いものが目に滲む
行こう、まだ気を失ったままだろうがそれでいい
会いに行こう
ロッドや他の班員に話を聞くのだ
どれだけ大変な任務だったのかを
みんながどれだけ頑張っているのかを
~abyss別棟~
「...第二がやられたそうですね」
「あぁ、なんとも情けない話だ、他クラスの団員にまで醜態を晒すとはな」
「しかし、彼らが身を挺して戦ってくれたおかげで敵のデータは完璧に取れた
...あいつらはあくまでデータ回収のための囮のようなものだ。死んだとしても
まぁ、我ら第一の被害をなくすための仕方ない犠牲に過ぎない」
こんな台詞が飛び交っていたことは、まだだれも知らない