邂逅
お久しぶりです。いきなり新作投下します。僕自身、あんまり文を書くのが得意ではないので、これからコツコツ鍛えて行こうと思います。
日が暮れて、夕方になりかけてきた頃、僕は補習を終え、部活に向かおうとしていた。
僕の名前は時雨未来。3人の仲間と演劇部として日々活動している高校一年生。普段補習になることはないが、今回は演劇部の人手不足問題の解決策や今後の方針を考えて居るうちにテスト期間が過ぎていて、見事赤点を取ってしまった。
「補習になるなんてついてないなぁー。早く部活行かないと。」
僕が独り言を呟き、荷物を持ち上げ教室を出ようとした時だった。
「あ、あの!」
後ろから大きな声で引き止められ僕は声の聞こえた先に体を向ける。するとそこには少し小柄で綺麗な黒髪ロングヘアの女の子が立っていた。
「えっと、君は確か…」
「お、同じクラスの末永朱音です!」
「そうそう!末永さん!どうしたの?」
「え、演劇部って今からでも入部できますか!」
予想外の質問が飛んでくる。
「ほんとに入ってくれるの?」
「え?はい、入りたいです!」
「ありがとう!大歓迎だよ!」
あまりの嬉しさのあまりに末永さんに近づいてしまう。
「あ、あの…///」
「あっ、ごめん!うち今、丁度人手足りてなくてさ!すっごく助かるよ!」
「よかった…です…」
末永さんがほっとした表情を見せる。末永さん自体、あまり自分から誰かに絡みに行くようなタイプでは無いだろうし、相当緊張してたんだろうな。けど、それでも勇気を出して入部を希望してくれたのが何よりも嬉しい。
「今から丁度部活行くし、一緒に行こうか」
「は、はい!」
僕と末永さんは共に教室を後にし、部室へと向かうのだった__
◇◆◇◆
いつも通り部室のドアを開ける。ドア開けた先には同じ演劇部の部員である。長谷川佳奈と星乃瑠奈が居た。
「おつかれー、ってあれ?未来は?」
「未来君なら補習だよ」
「未来が補習だなんて珍しいな。」
「未来君、人手問題に相当悩んでたからね〜」
「そうか。」
「ん?瑠奈は何をしてるんだ?」
瑠奈がなにかの文章を書いてるのが目に入り、問いかける。
「次の演劇の台本だよ!未来くんに頼まれたんだ!」
「次の演劇……内容は?」
「恋愛ストーリー!」
「瑠奈は恋愛もの好きだからねー」
「確かに恋愛ものは初だな。」
「そうだ。徠斗くん。瑠奈のインスピレーションのために胸きゅんシチュごっこでもしますか」
普通の人ならここで佳奈がいきなりよく分からん提案をしてきたと思うだろう…だが俺は断らない!なぜなら!俺はこういうくだらない遊びが大好きだからだ!あっ、俺ちなみに日比野徠斗って名前です。
「いいだろう。」
「ふっふっふ、話がわかるねぇ」
俺はノリノリで佳奈に壁ドンをかまし、思いついたセリフを言う。
「お前、やっぱり近くで見ると可愛いな…」
「ちょっと…///やめてよ…///」
そんなしょうもない遊びをしていると部室のドアの開く音が後ろから聞こえてくる。さっきまで楽しく遊んでいた俺と佳奈は恐る恐る後ろをむく。
「ごめん。末永さん。部室間違えたかも」
「お、お邪魔しました…///」
「待て待て待て!」
未来が閉じようとしたドアを抑え、勢いよく弁明を始める
「間違えてないから!ここあなたの作った演劇部だから!」
「いやでも、部長が居ない間に部員だけでイチャつく演劇部は作った覚えないので」
「あの、まじで話だけ聞いてくれませんか?」
後ろからこの世の終わりみたいな顔した佳奈が未来に語りかける。
「はぁ、わかったよ。」
◆◇◆◇
「つまり、瑠奈の書いてる台本の設定を聞いて恋愛ストーリーごっこがしたくなっちゃった訳か」
「はい、滾っちゃいました」
「私も滾っちゃいました」
「滾っちゃったか…」
「ねぇ〜、未来くん!そこにいる女の子だれ?」
僕が徠斗と佳奈に正座をさせ、事情聴取をしていると、瑠奈が末永さんについて質問をしてくる。
「そうだ!彼女か?!」
「彼女なの?!」
「2人とも一旦黙ろうか」
《すいません》
2人が声を合わせて謝罪する。
「改めて紹介するね。新入部員の末永朱音さん。」
「新入部員なの?!」
瑠奈が目を輝かせて末永さんに問いかける。
「は、はい。一応」
「んで彼女なの?」
「ふぇ?!いや、えっと…///」
「あの感じ彼女じゃあありませんか姉御」
「そうだなぁ。色恋を知ったか」
「末永さんは彼女じゃない。さっき初めて話したし。」
「そうなの?!」
「そうなの」
「末永さんにも紹介するよ。みんな自己紹介して」
「お前が紹介してくれるんじゃないんかい!俺は日比野徠斗。演劇部だと演劇に使う小道具とかの制作を担当してる」
「私は長谷川佳奈。演劇部だと演出を担当してるよ〜。」
「私は星乃瑠奈!演劇部だとたまに脚本書いたり、未来くんのお手伝いしてるんだ!」
「それで僕が部長。そして主な脚本家の時雨未来。改めてよろしくね」
「お、お願いします!」
「あっそうそう」
「長谷川さん?」
「未来君の恋愛事情ならいつでも聞いてね★」
「へっ?!あ、あの…///」
「変なこと吹き込むな。末永さんも否定してね?」
「ご、ごめんなさい!」
「別に大丈夫だけどさ。ほらこれ」
僕は末永さんに入部届けを渡す。
「ありがとうございます。」
末永さんは入部届けを受け取り、名前・クラス・出席番号を記入し、再び僕に入部届けを手渡す。
「ようこそ。演劇部へ。やかましいところだけど、ゆっくりして行ってよ。」
「は、はい!みなさんとゆっくり成長していきます!」
「うんうん。演劇部も新シリーズ開幕だ〜」
「おっ!それじゃあさっきの続きするか!」
「練習しろ!」
《へーい》
「未来くん!脚本チェックして!」
「おっ!任せろ」
私は今までこんな楽しそうな場所で過ごしてきたことはなかった。みなさんの力になれるか不安だけど。ここでならきっと変われる気がした。末永朱音としての新たな一歩を踏み出せるような、そんな感じがした__。
半分深夜テンションで書いたので、終わり方や恋愛要素が無理やりだったり、キャラ同士の絡みが中途半端だったりしますが、許してください。次は真面目に書きます……