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異世界の魔法使い

登場人物

 エリアス・アルドレッド:異世界の大賢者、魔法使いの老人。

 エリアス・アルドレッドは、「アルヴェリオ」と呼ばれる大地――我々の住む世界からみれば異世界――で、膨大な魔法力を操る老魔術師だった。

 アルヴェリオは、魔法と怪物が存在する広大な大地だった。エリアス・アルドレッドは、この地を守るために若い頃から魔法の探究を続け、その力を強大なものとして認められるようになった。しかし、長い年月を経て彼の体は衰え、魔法を使うたびに肉体が蝕まれるようになっていった。

 年老いて衰えた彼の身体は、魔法の発動すら以前ほどスムーズではなくなっていた。長い白髪としわだらけの顔。かつては堂々としていた背筋も今ではすっかり曲がり、日によっては杖がなければ歩くこともままならないほどだった。

 その日、彼は強大な邪竜「ナグラード」との戦闘に臨んでいた。ナグラードは元々魔導師だった人間が、竜の宝物を盗んだ結果呪われてしまい、邪竜に堕ちたなれの果てだという。その邪竜は圧倒的な力を誇り、エリアスはその力に苦戦していた。

 仲間たちはすでに地に倒れている。その中にはエリアスをかばって竜の攻撃を受けた者も含まれていた。

 ナグラードの巣がある国境の廃城を急襲し、初撃で大ダメージを与えた。

 誰しもが勝利を確信したのだが、そこから邪竜は粘り、ひとりまたひとりとエリアスの仲間を倒していった。

 体力も魔力も限界に近づいている中で、エリアスは必死に立ち向かっていた。だが、歳月に打ちのめされた体は思うように動かず、彼の魔法も弱まっていた。


「これ以上、この世界を破壊させるわけにはいかない……!」


 エリアスは意を決し、ナグラードに対して強力な魔法を放つ動作を始めた。その魔法は攻撃魔法ではなく、「なにかをどこか遠くに転移させるための魔法」だ。ナグラードが倒せなければ世界の果てまで飛ばせばよい。少なくとも時間稼ぎにはなる。

 エリアス渾身の魔法は発動した。だが、同時にナグラードはカウンターとして邪悪な呪いを放つ。

 その呪いはエリアスの魔法に干渉した。お互いの呪力が干渉し、その力が予想外の方向に捻じ曲げられる。

 エリアスの呪文は暴走し、周囲を巻き込んで転移が始まった。同時にナグラードの呪いは歪みねじ曲がって、エリアスに深く浸透した。


「ぐっ……!」


 次の瞬間、エリアスの視界は歪み、意識が闇に沈んだ。その最後の瞬間、彼はかすかに感じた。ナグラードの呪いが、自身の肉体に何か異変を引き起こしたことを……。


最後までお読みいただきありがとうございました。

次話もよろしくお願いします。

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