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弁護士相談編②

 結構な弁護士へ連絡を取り惨敗した私であるが、ここで法テラスを利用する事にした。ただ私は相談がしたいのではなく、すぐにでも訴訟の実行を行いたかった為法テラスの利用を後回しにしていた。福岡県の糸島市というボチボチの田舎に住んでいるが、そんな田舎にも法テラスの相談事務所はあった。メールにて予約を行う、予約日は二日後だったのでここで待たされる事はなかった。

 当日、受付や対応はとても普通だった。何を当たり前の事をと思うかもしれないが、これまで所謂公共機関と呼ばれる所の対応に比べあまりにも普通の対応だったので驚いたのだ。

「では、よろしくお願いいたします」

 担当の弁護士さんは50歳前後ほどの男性で物腰の柔らかそうな方だった。私はこれまでの経緯とその際のメールのやり取りなどを見せながら話した。労働基準監督署を利用した時に用意したものなので必要な情報は全て揃っているはずである。

「いや、これは難しいですね」

「どう難しいのですか?実際に労働基準監督署が動いても支払われない給料を請求するんですが」

「これで仮に裁判をしてもその費用で損しますよ?」

 第一声が損益の話だった。

「給料だけでみたらそうですが、求人票の虚偽で前職を退職しているのですがその損害賠償などを含めても駄目ですか?」

 うーんといぶかし気に考えて「難しいと思いますよ?」と言われる。

「分かりました。正直に話しますが、私は、ただぶん殴りたいんですよ。けど、それは犯罪になりますので法律でぶん殴ろうと思ってるんです。利益を考えなくてもいいんです。それでも駄目ですか?」

「まず、やりたがる弁護士がいないでしょう」

 前回で書いたがそうなのである。弁護士は傭兵である。彼らは着手金と報酬金で動く傭兵なのだ。

「ちなみにちょっと調べたのですが。今回の事って刑罰になるものもあるのですが警察に通報しても駄目ですかね?」

「正直な話、取り合ってくれないと思いますよ?」

「それはどういう意味で取り合ってくれないのでしょう?立派な犯罪だと思うんですが」

「よくある話だからですよ、会社に入って求人票や面接と聞いた話と違ったってのは」

「それって違法でも小さい罰で数も多いから真剣に取り合ってもらえないよって事ですか?」

 そうは言わないけどそういう事だよという沈黙と表情があった。

「例えばですね、立小便って犯罪なんですけどそこまで悪質じゃなければ注意だけで終わるようなもので、職安法も労基法もそれと同等だよって事なんですかね」

「そこまでは言わないけどね」

 少しウケたようで笑ってくれたが、まったく笑えない話である。

 私は法テラスを三回利用した。福岡天神で一回、今回を合わせて糸島で二回。そのどれもで今回と同じ話をして、同じ回答を得た。

 そして、どの相談でも第一声は「裁判費用で損をしますよ?」だった。もちろん不当な扱いをうけて、その不当を受けた補填としてお金を払ってもらうという行為が今回の話の要点なので真っ当な回答である。決して弁護士は拝金主義だからすぐにお金の話をするという事ではないのである。

 ただし、今回の相談で私が不思議に思った事は「私は専門ではないから」や「そういう経験がない」という言葉が頻繁に出てきた事である。これはつまり「私は料理人だ」という人に出汁の取り方を尋ねたら「私はフレンチ専門だから」と言われる様なもので、そんな事こちらからは分からないのである。さらに言えばこのお三方の弁護士事務所を調べると「労働問題もご相談ください」と宣伝されていた。

 私は元建築業で水道を担当していたが、一様に「水道屋さん」といっても家の中の蛇口などを得意とする所もあれば道路の下の水道管を扱っている所もある。しかし、これは資格や免状で出来る出来ないがハッキリしていることでもある。

 さらに、さらに言えば私は法テラスの相談予約をする時に事のあらましを送っているので、その相談に専門でない人間があてられる事も不思議であった。正直に話してしまえばメールを読んだ内部で「利益にならない相談」を選別しているのではないのかとすら思える。私がなぜそう思ってしまったのかの追加として、こちらが要求しないと彼らが自身の名刺を出さなかった事も一因であり、「これは儲かる」と思った相談には進んで名刺を渡しているのではと感じたからである。

 さすがに三人目での相談途中で埒があかないと判断し、その時には「本人訴訟」についての相談をした。この話でも「本当にやるのか?」というニュアンスで相談を受けてもらったが、「あの時の弁護士たち、マジで本人訴訟やってやったぞ」と伝えたい気持ちである。

 ちなみに私は「立派な犯罪」という言葉の皮肉さ具合がとても気に入っている。

一人目の相談内容は三回受けた相談を統合して書いていますが、誤差を図る為に三回とも同じ質問をしましたが三回とも同じ内容で否定されてます。

出来ねぇ出来ねぇって言うならマジで時間の無駄だから弁護士資格の区分化をしてくれ。

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