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弁護士相談編①

 さて。労働基準監督署には会社へのありがたい指導をしていただき、それでも会社は給料を払わず更には掛かった経費とやらが差し引かれた給与明細すら提出しなかった。ちなみに給与明細の不交付や虚偽の記載は所得税法二百四十二条七号にて違法である。これを労働基準監督署の担当者に伝えてみたが。

「給料未払いはそうですし、明細も頂けないってのは流石に駄目なのでは?」

「そうなんですが、我々も現段階では指導したのですが」

「警察に行くべきなんですかね?」

「警察も取り合ってくれないとおもいますよ?」

 ここまでの有意義な話し合いの結果であるが「労働基準監督署にできるのはここまでで、これ以上大事にしたいのなら個人で警察や弁護士に相談ください」とのことであった。

 そして、弁護士へ相談してみようと思ったのだが、また問題が起こった。手始めに五社ほどの労働問題や給与問題を専門に請け負うと謳う弁護士事務所へ相談以来のメールを送るが返事が返ってこないのだ。あまりにも返事が無い為、弁護士サイトに登録してある所へかたっぱしにメールを送った。少しでも労働問題を謳う所には送ってみて二十か所ほどに送ったと思う。そして一週間、返事があったのは二か所からでどちらも断りの返事だった。

 私の住む所は福岡であり、決して少なくない数の弁護士事務所があり、その中で「労働問題やっています」と看板を掲げた所に、これまでの経緯と相談したいという内容のメールを二十か所以上にも送って、返ってきたのが二通であったのだ。

 ここで、日本の裁判と弁護士について私見を述べる。私は理系の人間なので数字遊びになってしまうが飽きずに読んでほしいと思う。

 法務省や裁判所のホームページには裁判についての資料が多数掲載されている。まず新受事件数というその年に受理された裁判件数の数字がある。その中で平成に入り最も裁判が行われたのが平成十五年の六百万件でそのうち刑事事件を除くと三百五十万件であった。この年はSARSが大流行し、日本郵政公社が発足し、イラク戦争あった年である。

 これを受け平成十八年に日本司法支援センター、いわゆる法テラスが設立された。昭和二十七年から始まった民事法律扶助法がピークに達した時期だった。そして、弁護士の人数であるが日本弁護士連合会の発表で昭和二十七年には六千人の弁護士が登録していたが、平成十八年には二万二千人にも人数が膨れていた。

 ここからが職業弁護士の凋落である。裁判件数と弁護士の数が反比例しだすのだ。

 令和元年、裁判件数が三百五十万件、刑事事件を除くと百五十万件。弁護士の人数は四万人を超えた。

 考えてほしい。例えば、近所にコンビニが増えているのに利用者が減っている地域があったらその場所は健全であろうか。もちろんパイの奪い合いが起こるのは想像に難しくない。弁護士事務所は積極的に宣伝をうつ様になったし、儲かる案件しか受けない様になる。資本主義社会としては正しい動きだが、弁護士会自身で語る司法制度改革の形からは大きくズレた結果になったと思う。なにせ現場の拝金主義を高め、ブランド化を促進させ、訴訟行為を神聖化させたのだから。

 強い語気での文章だと思われるかもしれないが、もちろん私怨を多分に含めているからである。なにせ相談をしたいと連絡をとった相手に「面倒で儲からないから相談すら無駄で無視しておこう」をされたと感じたからだ。もちろん事務所によっては相談料が無料な所があったりしたが、それも所謂営業努力の結果であり善意などではないからだ。

 少々カスタマーハラスメントな印象を与えてしまっているかもしれないが、決して私は優しくされたいわけではない。親身に相談に乗ってもらいたいわけでもない。弁護士法第一条「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」を掲げる人間を、ただただ軽蔑する事になった経験を話しているだけである。

 タイトルにて「弁護士相談編」と銘打っていながら肝心の弁護士相談の話が全くないではないかと思われるかもしれないが、これがリアルなのである。まずそこにたどり着くことが出来ないのである。

 読者には「弁護士って正義の味方じゃないの?」という方もいるかもしれないが、断言する。それはテレビや創作物のイメージであり『弁護士は傭兵』である。報酬にて依頼を受け、法律の技術を要し、依頼人の勝利をもぎとるのが弁護士である。まさに傭兵のそれである。

 次回では実際に弁護士との話になるが、今回の話を踏まえた上で読んでほしいと思う。

正直な話、どんだけ沢山のメールが来てたとしても返信しないってのはどうなの?

返信率10%以下だったよ?

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