アイリーン学園3
「あ、ロメロさん。」カレンはなぜか委縮し俺の背に隠れる。
「ふん、やはり出来損ない同士でじゃれ合っているな。今から俺がここで練習をするところだ。目障りなので早く帰ってじゃれているといい。」やっぱりむかつく。
「確かにカレンとじゃれたいとは思っているさ!」
「ちょ、ちょっとレン君?!」カレンは慌てているようだったが、今は無視だ。
「だが、俺をバカにするのもたいがいにしろよ。」
「ほう、バカをバカと言わず何といえばよいか教えてほしいものだな。丁度いい、もしお前が良いのならウォーミングアップとして対人訓練をしてやろう。」
「望むところだ。」
「ちょっと、レン君ダメだよ。」カレンが止めに入る。
「カレン、これは男の勝負だ。」
「でも、ロメロ君は学年2位と言われている実力者だよ。いくらレン君でも。」
「大丈夫だ。俺はともかくカレンまでバカにされていい気分じゃないんだよね。」
ポンと頭の上に手を置き撫でる。
「ん」
「何とかやってみるさ。」
「話は終わったかい?覚悟が出来たのなら、中に入って来たまえ。」人を見下している目だ。よっぽど自信があるのだろう。俺は練習部屋に入る。思っていたより広い。学校の体育館くらい広いだろうか?カレンも後ろについてくる。
「おいおい、シルベールさんはどうしてここにいるのかな?そこに居るなら攻撃が当たっても知らないよ。」
部屋の2階に観賞できる場所があるようだ。
「カレン、2階で見ていた方がいい。」
「いいえ、もしレンさんに何かあれば、すぐに回復が出来るようにここに居たいんです。」
「何を言っているんだい?この空間では攻撃を食らってもけがはしない。まあ、怪我した分魔力が無くなり倒れてしまうがね。」ニヤリと笑うロメロ。
カレンはロメロの言葉など気にせず真剣に俺を見つめていた。
「わかった。カレンに何かあれば俺が何とかするよ。」
「はぁ。仲良しごっこなんてしているから落ちこぼれるんですよ、シルベールさん。まあ、とりあえず、この音西のプライドをぶち壊してあげるよ。」
俺とロメロは向き合う。
「レディーファイト」機械的な音声が流れる。
「行きますよ~フリーズ」
「ブースト!」俺もすかさずペンを剣にするが、
動けない…。いつの間にか俺の足場が凍らされ俺の足も凍っていた。
「何っ!」
「くっ、はっはっははははは、アイスブロック」ロメロは笑いながら氷を俺の方へ飛ばしてくる。つぶてみたいな。大きさだ。俺は剣で弾いたり、上体をそらしたりして躱す。
「そらそらそらぁ~!」どんどん数が増えてくる。
「負けるか!」俺もそのスピードに合わせ氷を躱す。だが、反撃する暇がない。くそっ埒が明かない。ロメロもそう思ったのか、
「じゃあ、これならどうだ~!」
氷塊を飛ばしてきたデカい!剣で切るか?いや無理だ。どうする。こんな負け方は嫌だ。これは勝負、生きるか死ぬかで考えろ。こんなところで負けられない。俺はぎりぎりで膝をまげ上体をそらし躱す。俺は剣で足場の氷を壊し、飛ぶ。
「あいつどこに消えた?」
ロメロは俺の姿を確認できていない。もらった!
「そこかぁ!」気づかれた。だが、この距離ならいける!
剣を振る。
「アイスウォール!」ロメロの正面に氷の壁が現れぎりぎりあいつに届かなかった。
くそ、俺は回り込み攻撃するが、氷の壁があいつの周りに現れて刃が通らない。
俺は1度距離を置く。
「なぜ、なぜ!なぜ魔法を使わない。僕を侮辱しているのか!」その言葉と同時に氷の壁が崩れ氷塊となって俺を襲う。
俺は距離を取っているため躱せる。
「お前なんか魔法が無くても勝てるんだよ!」啖呵を切って言ったが、俺には使える魔法1つしかないんだよ!しかも禁止されてるんだよ!氷とか羨ましいとか思ってますよ!ええ!!
「ば…バカにしてくれますね!!遊びはおしまいです。アイスバーン!」
氷の波がこの部屋全体に広がって攻撃してくる。これはジャンプで躱せる。
俺は高くジャンプし剣をロメロに向かって思いっきり投げる、
「ブースト!」
剣は俺のイメージしたやりみたいな形になりロメロに向かう。これで決める!!
いや、待て!氷の波は部屋全体に向かっているということはカレンがケガをする。カレンの方を向くがカレンも氷の波が来ることに気づいたが、間に合いそうもない。やばい。カレンが…。何が、守るだ!自分のことで手一杯で全然カレンを気にすることが出来なかった。やるしかない!
「トキヨ」
「ファイアドラム」一瞬にして氷の波は消滅(蒸発)した。
俺の槍もそいつに止められていた。