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トキヨトマレ!  作者: 天井りんご
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アイリーン学園2

アイリスに連れられ学園長室と書いてある部屋に通された。

「今日は特例だが、基本私とお前は教師と生徒だ。個人的なサポートはしない。自分の力で学園に慣れろ。まあ、死ぬことはないだろう。たぶん。」

椅子に座ったまま、タバコみたいなのを吸いながらそう言う。

「まあ、そうだよな。俺も自分で頑張りたいって思っていたところだ!」

「いい意気込みじゃないか。まあ頑張れ。ただ、くれぐれも時間停止は使うな。そして誰にも言うな。わかったな。」

「わかってるって。」俺の返事を聞いた後、

「よし、入っていいぞ。」アイイスがそう言うと、ドアが開き眼鏡をかけたクールな感じのスーツ姿の女性が入ってきた。

「アイリスさ、いえ、学園長。この子がレン君ですか?」

「そうだ。任せたぞ。レエナ。」

「わかりました。私が責任をもってレン君をサポートします。」

なんか、この綺麗な人がサポートしてくれるっぽいな。ありがたいかも。

「よろし」

「いや、サポートなんかしなくていい。」アイリスが俺の言葉をさえぎる。

えっ?俺のサポートは…?

「そうですか。では見守ることにします。」

そんな何も分からないのに!!

「そうしてくれ。」

…仕方ないか。

「はい。私はレン君の担任のエレナ・ルークド。生徒からはルー先生と呼ばれてます。よろしくね」結構クールっぽいと思ってたけど親しみやすそうな先生だった。

「こちらこそよろしくお願いいたします。」

「じゃあ、レン。頑張って来いよ。」

「わかった行ってくるよ。アイリスもさぼるなよ!」

そう言って学園長室をルー先生と出た。

「レン君、1つだけいいかな?」

「なんですか?」

「アイリスさんを次呼び捨てにしたら先生怒りますからね。」

笑顔で言っていたが目は笑っていなかった。怖い。ルー先生とアイリスの関係は何かあるんだろうな。

「はい…。」


先生と2人で教室まで向かう。

「ここが今日からレン君の教室になります。」教室にはⅡと書いてあった。俺は2年生という事か。中からざわざわと話声が聞こえる。ここから俺の学園生活が始まる!

先生がドアを開ける。

「皆さん、静かにー。今日は特例中の特例。転入生が一人入って来ました。じゃあ、レン君自己紹介をお願い。」

みんなを見渡す。そこにはカレンの姿があって小さく手を振ってくれていた。あと、朝に会った嫌な奴もいた。アイリスが言っていたのはこういう事だったのか。なるほどな、ここで宣戦布告するのも悪くないか。

「俺は音西レン。とりあえず、魔法師になるのが目標にしてる。よろしく!」

半数の生徒は唖然と口を開けていた。あとは笑っている奴もいれば興味の無さそうなやつ、カレンは驚いた顔をしていたし、嫌な奴は俺を睨んでいた。

「は、はーい。なかなか大胆な自己紹介に私も少し驚いてはいけるけど、この学園にきたんだから目標は高い方がいいよね!これからみんな仲良く過ごしましょうね。」

先生に席を促され、俺は運よくカレンの隣の席に座れることになった。

「急に転校してくるなんてびっくりしました。」

「俺も驚いてる。昨日の夜にわかったからさ。」

「そうなんですね。あの、聞いてもいいですか?」

「何?」

「レンさんの保護者ってやっぱり…。」

「うん、学園長だ。でも、内密で。」

人差し指を口に当てる。カレンもニコッと笑って同じ動作をしてくれた。

「では、新学期が始まったということで、2つ皆さんに連絡があります。1つ目は今日から学園長が変わりました。この後学園長から少し挨拶がありますので、しっかりと話を聞いてくださいね。そして2つ目は、実力テストが明日あります。そこで順位もしっかりと出ますので、体調や心の準備をお願いしますね~。何か質問はありますか?」

「はい。」手を挙げたのは赤毛の女子生徒だった。

「はい、なんですか、イリアさん。」

「実力テストはどんな内容になるんでしょうか?」

「それは私からは言えません。ただ、去年とは全く違う内容だということは言えますね。」

「そうですか。」

「去年ってどんなテストだったの?」俺はカレンに聞いてみた。

「去年はよくあるペーパーテストと簡単な魔法詠唱テストでした。」

俺は顔面が蒼白になっていただろう。俺何もできないじゃん…。

「レンさん、大丈夫ですか?」

「あ、ああ。なんとか。テストどんな感じになるんだろうな~。」

「私は去年と同じ感じの方がよかったのですが、どうなるんでしょうか。」

カレンは少し不安そうにしていた。大丈夫だよ、俺の方が不安だからって言いたくてしょうがなかった。

「あ、あー。聞こえるか全生徒」

いきなり教室の教卓の上にテレビ画面みたいな感じでアイリスの顔が映る。

周りは結構驚いている感じだった。これは魔法でもあまりないパターンなのだろうか。

「私が、今日からこの学園の長になったアイリス・アイリーンだ。私のひいおばあ様と同姓同名だ。この町を作った人の孫だと思ってくれたらいい。別にひいおばあ様に比べれば私なんて大したことないし、正直学園長なんてやりたくなかったが、将来のための光る原石も見つけてしまった手前逃げ出せなくてな。ただ、やる以上私は本気でお前たちを育てたい。100万人に1人なれるという魔法師もこの学園から生み出すつもりだ。そこで去年までのペーパーテストや魔法詠唱など撤廃する。世の中実力主義だ。いくら魔法が使えようとも、勝てなければ意味がない。だから、明日の実力テストは実践とする。くれぐれも死なないようにな。では、皆の健闘を祈る。」ブチュンと映像は切れてしまった。

切れた瞬間、不安がっているものもいれば、テンション上がっていたり、笑っているものもいた。アイリスの言葉で色々突っ込みたいことや言いたいことはあったが、俺も笑っている奴の1人だった。やる、やってやる!この時俺は、自分の過去の記憶やこれからどうしていくなど全く頭になかった。あの思わず笑ってしまうような言葉を言われてしまっては…。

そこからのルー先生がこれからの話をしていたが、俺の耳には届かずいや、ほとんどの人には届いていたなかっただろう。先生の話もあっという間に終わり明日のテストのため、自由時間となった。俺は学園のことがまったく分からないのでカレンに案内してもらうことになった。

「カレンがいてくれてよかったよ。俺一人だったら迷子になってる。」それくらい広いのだ。

「いえいえ、昨日もレンさんに助けてもらいましたし、これくらい当然です。」

カレンは楽しそうに俺に学園を案内してくれた。

「そういえば、カレンと俺は同級生ってことだし呼び捨てで呼んでくれていいよ。」

「本当ですか!」なぜか目を輝かせていた。

「で、では、レン…君。」少し恥ずかしそうに俺を見るカレンは可愛くてドキドキする。

「お、おう。」

「け、結構恥ずかしいですね。あ、あの部屋が練習室ですよ!」テレているのか、違う部屋を案内してくれる。

「この部屋は何の練習ができるの?」

「えっとですね、」

「魔法だよ!」違うところから声が聞こえた。聞きたくない声だ。


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