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みきとちひろ

無人島アソート

作者: 本田庄助

社会人疲れたねー。


そうね。


もうさ、この旅行のまま仕事戻らなくてもいいかな?


構わないわ。


えぇー。


その時はわたしもついていくから。


おぉー。


そろそろ人生に劇的な出来事が欲しかったの。


じゃあこの舟でどこまでもいっちゃうよ!


本気だったの?

【無人島】


みき「ひまだね」


ちひろ「だね」


みき「ほんとに無人島てあるもんだね」


ちひろ「ねー」


みき「なにからはじめる?」


ちひろ「なにからはじめるかを決める会議をする日にしよう」


みき「社畜精神は海に捨ててこいよ」






【会議】


ちひろ「やはり衣食住の確保が優先では?」


みき「言い方がやや社畜」


ちひろ「実際そうでしょ」


みき「うん」


ちひろ「じゃあ衣食住を最優先で。多数決採ります」


みき「だから」






【衣食住】


ちひろ「服は後でいいよねとりあえず」


みき「いま着てる服でとりあえずね」


ちひろ「食?」


みき「食。」


ちひろ「やっぱり漁かな」


みき「肉食べたいよー」


ちひろ「魚肉って言うじゃない」


みき「獣の!」






【漁】


みき「魚で我慢してあげる」


ちひろ「偉そうね」


みき「そうと決まれば出発!」


ちひろ「道具も持たずにどうするの」


みき「そうだった」


みき「銛を作ろう」


ちひろ「まさかの素潜り」


みき「とったどーってやりたいの!」


ちひろ「よゐこの観過ぎ」


みき「自分でとったどーして食べる魚はきっと最高よね」


ちひろ「油鍋は禁止よ?」


みき「ちひろも観てるじゃない」






【銛】


みき「太めの木の棒にー」


みき「尖った石をくくりつけてー」


みき「植物のツルで巻いたらー」


みき「ほい!完成!」


ちひろ「お手軽みたいに言わないで」


ちひろ「それらの素材集めに3時間かかってるから」






【海】


みき「ちひろのも作ったよ」


ちひろ「わたしは潜らないわよ」


みき「え」


ちひろ「視力と運動神経が不足しているの」


みき「致命的」


ちひろ「だから家を作って待ってるわ」


みき「有野ポジ」


ちひろ「あとチネるわ」


みき「有野ポジ」


ちひろ「ゲームもするわ」


みき「そうだけどさぁ…」






【ドボン】


みき「行ってきまーす」


ちひろ「いってらっしゃい」


ちひろ「浮いてこないわね」


ちひろ「…」


みき「ブハッ」


ちひろ「お還り」


みき「死ぬこれ」


ちひろ「あなたはマッサルにはなれないわ」


みき「…」


ちひろ「段階を踏みましょう。いきなり素潜りは無理よ」


みき「たしかにな…」


ちひろ「まずはコントから」


みき「芸人スキルは後でいいよ?」






【代替案】


ちひろ「潜るのは今日は無理ね」


みき「そんな」


ちひろ「肺活量が足りてないの。タバコの吸い過ぎね」


みき「ギク」


ちひろ「まぁ、もう吸えないから徐々に回復すると思うわ」


みき「?」


ちひろ「え?」


みき「タバコだけはジップロックに入れてたからセーフよ!」


ちひろ「無人島に持って行くなら?って質問はよくあるけど」


ちひろ「ピアニッシモはさすがに読めなかったわ」






【FIRE】


みき「ライターも無事」カチカチ


ちひろ「むしろそっちが優秀」


みき「え?あ、そっか」


みき「漁夫の利?」


ちひろ「意味は違うし、さっきの素潜りだと漁夫にもなれないわ」


みき「あはは」






【火】


みき「とりあえず一服」


ちひろ「心肺機能が…」


みき「ちひろも吸う?」


ちひろ「わたし吸ったことないわ」


みき「こんな状況だし、ね」


ちひろ「…」


ちひろ「…」


ちひろ「ケホッゲホッ」


みき「あはは」






【娯楽】


ちひろ「タバコはやめておくわ」


みき「だね」


ちひろ「でも息抜きがあるのはいいことね」


みき「でしょでしょ?ちひろも何か趣味見つけた方がいいよ?」


ちひろ「星を見るわ」


みき「ロマンチック」


ちひろ「でもね」


みき「?」


ちひろ「夜しか息抜きできないの」


みき「あー…」


みき「でもでも!」


みき「タバコと違って減らないよ!」


ちひろ「たしかに」


ちひろ「みーちゃんの考え方がロマンチックね」






【空腹】


みき「お腹は減るね」


ちひろ「そろそろ本格的に食料を調達しないと」


みき「何かないか浜辺を見てくるよ!」


ちひろ「お願いするわ」


みき「うおおおおおおお」


ちひろ「威勢がいいわね」


みき「ゲホゲホゲホッ」


ちひろ「肺がついてきてない」






【建立】


ちひろ「寝床を確保しないといけないわ」


ちひろ「とりあえず大きな葉と、木材と、、」


ちひろ「重い」


ちひろ「視力、運動神経、筋力」


ちひろ「これがベリーハードなのね」






【その2】


ちひろ「場所は海に近すぎると怖いし、内陸すぎるとなにかと不便よね」


ちひろ「この辺りにしましょう」


ちひろ「これとこれを敷いて…」


ちひろ「…疲れたわ」


ちひろ「今日はこんなところね…」






【日暮れ】


ちひろ「工具もあるし、有野さんは恵まれていたのね」


ちひろ「釣りもできて家も建てて…」


ちひろ「チネれる」


ちひろ「…」


ちひろ「わたしは有野さんにはなれないわ」


みき「帰ってきたらなんかメンブレしてる」






【支度】


みき「ただいま!」


ちひろ「おかえりなさい」


みき「見て見て!貝と海藻!」


ちひろ「あら。この貝は美味しいのよ」


みき「そうなの??」


ちひろ「鉄腕DASHで見たわ」


みき「バラエティ好きなの?」






【オーガニック】


ちひろ「海藻を茹でてスープにしましょう」


ちひろ「貝は焼いて食べましょう」


みき「はーい」


ちひろ「鍋がないわ」


みき「うん」


ちひろ「箸もないわね」


みき「うん」


ちひろ「調味料もないわよ」


みき「うへぇ」


ちひろ「机も椅子もないのよ」


みき「おらこんな島いやだ」






【灯台下暗し】


みき「よく見たらここが家なの?」


ちひろ「そうよ?」


みき「そんな自信ありげに言われても…大きめの葉っぱが5,6枚敷いてあるだけだったから」


ちひろ「マットレスよ」


みき「これが?」


ちひろ「シモンズも逃げ出すレベルの」


みき「自分に甘い」






【限界】


みき「お腹すいたよ!」


ちひろ「そうね。もう限界に近いわ」


みき「海藻は置いといて貝を焼こうよ!」


ちひろ「採用するわ」


みき「焚き火を起こして…」


ちひろ「串に刺した貝を並べる…」


みき「いいねーわくわくする」


ちひろ「なんだかあったかいと」


みき「眠くなるね…」






【1日】


ちひろ「おいしいわ」


みき「あじがうすい!うすい!」


ちひろ「わたしは島に来る前の会社で」


みき「?」


ちひろ「手取りが世代平均の半分くらいだったわ」


みき「しょっぱいよ!そういう味付けはいらない!」






【あじへん】


みき「もぐもぐ」


みき「調味料は必須だね…これから」


ちひろ「わたしは中学生の頃ね」


みき「(味付けだ…!)」


ちひろ「初恋に落ちたの」


みき「詳しく」






【晩酌】


ちひろ「水も確保しないとダメね」


みき「あれ?初恋は?」


ちひろ「海水をろ過できれば1番楽ね」


みき「押し切る気なの?」


ちひろ「あとは雨水も溜めたいわね」


みき「ダメだ今日寝れないわ」






【初夜】


ちひろ「まだ早いけど眠りましょう。正直体力の限界なの」


みき「だよねー」


ちひろ「おやすみなさい」


みき「あ、そっかこの葉っぱすごいんだった」


ちひろ「zzz」


みき「この速さ、、、これはマジでシモンズ越えか…!?」






【たいよう】


みき「朝だ!」


ちひろ「そうね…髪がゴワゴワするわ」


みき「んーその問題もあったかー」


ちひろ「問題は山積みね」


みき「大丈夫!」


みき「時間はいくらでもあるから!!」


ちひろ「…そうね」


みき「いま笑った!?」


ちひろ「笑ってないわ」


みき「えぇ〜」


みき「まぁいいや!食料調達、行ってきます!」


ちひろ「はい。いってらっしゃい」



以上

まだまだ2人の日々は続きます

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