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ドジっ子ヒーラーは気づいてない  作者: はじめ まこと
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平原の魔物退治(2)

ジャイアントイーターのお肉ってどんな味がするんだろ。

ママンの放ったファイヤーボールは見事にジャイアントイーターの背中に全弾命中した。しかし、ジャイアントイーターはそれを顧みることなく蔦をちぎりこちらに向かってきた。


「ジャイアントイーターの毛皮は分厚いんだよな!」

「まあ、わたくしの魔法でも焼けないなんて凄いですわね。」

「おいおい、こっち向かって走ってるじゃんか!」

「ハーツ、ジャイアントイーターを狩った経験は?」

「数えるぐらいだな。」

「僕もさ。」

「とりあえず、あいつのスピード落とすぞ!」


《歌は相手の速度を落とす。スロウダウン!》

「♩〜♩〜♩」


スウルの放った魔法によりジャイアントイーターのスピードはかなり低下した。対象を限定すれは魔物にも有効なようだ。


「そこまで長くは持たないから早めに狩ってくれ。」

「それじゃあ行こうか!」


《光の矢は貫き、我が敵を捉える!バインドアロー!》

エルの放った魔法はジャイアントイーターの脚に刺さるとそのまま矢じり側が伸び地面に突き刺さった。


ジャイアントイーターは苦痛から逃れようとするが逃れようとすればするほど矢は脚に食い込む。

エルとハーツはすぐにジャイアントイーターの脚元に剣と槍で攻撃をした。何度も刺し、切ることで前右足が切り落とされた。切り落としたらすぐにスウルたちがいる場所まで戻った。


[グオオオオオオオン!]

ジャイアントイーターは足を切り落とされた痛みに雄叫びをあげる。ジャイアントイーターに急速に魔力が集まってゆく。


「マズイ!攻撃魔法が来る!全員防御!」

「俺の後ろに全員集まれ!」


《召喚!金剛の盾!ミスリルの盾!龍牙の盾!》

《大地の精霊よ、大地を動かし岩を作りたまえ!ロックメイカー!》

ハーツは盾を三重で召喚し、ママンはその盾の前に岩石を盾の形にして生み出した。


《歌は魔力を高め、我が友を守りたまえ!シングフォーユー!》

スウルが歌った魔法は仲間の基礎魔力を一時的に高め防御力を高める。


魔力かわ溜まったジャイアントイーターは真っ直ぐにスウルたちに向かって走ってくる。


[ガァアアアアアアアアアア!]

ジャイアントイーターの放った魔法…インパクトショック。対象に向かって強い衝撃を纏った体当たりをぶつける魔法だ。

ママンの生成した岩の盾は物の見事にぶっ壊し、龍牙の盾にあるドラゴンの牙をモチーフにした飾りを折り、壊れはしなかったもののミスリルの盾を巻き込み金剛の盾まで押してきた。


「くっ!!盾がぶっ壊れちまう!ガエン3人を乗せて走れ!」

[バウ!]

「ハーツはどうするんだよ!」

「俺は大丈夫だ!盾をこのままにして距離を取る!」

[バウバウ!]

「スウルさん今は体制を立て直さなければ!」

「…絶対死ぬなよ!」

「バカ野郎…お前残して死ぬかよ。」


ガエンは3人を乗せ、今いる場所から45度向いた方向に走っていく。ガエンが遠のくと、ハーツは盾を維持したまま後ろに下がり巨大な槍を召喚した。


《召喚!神槍ゲキタツ!》

神槍ゲキタツは持って使用するものではなく、とラップのように設置して使用する例外的な槍の一つだ。盾を突破したジャイアントイーターがそのまま神槍に貫かれるようにセッティングした。

自らで槍が隠れる場所に立ちジャイアントイーターの注意を引く作戦だ。

ハーツは盾の召喚を辞め、消した。

勢いに乗っていたジャイアントイーターはそのままハーツに向かって一直線で向かってくる。

ギリギリでハーツは避け槍に向かってジャイアントイーターが向かう。


[グビ!??!]

ジャイアントイーターが気づいた時には既に遅く、その巨体を止めることは出来ない。そのままジャイアントイーターは神槍ゲキタツに頭部から自ら刺さりに行った。


[グギャアアアアアアアア!!]

神槍に貫かれたジャイアントイーターは断末魔をあげ血しぶきを辺りにまき散らした。


「ったく、手こずらせやがって。」


ハーツは被ったジャイアントイーターの血を拭いながら、そう呟いた。

遠くから3人を乗せたガエンがやってきた。


「ハーツ!」

「おー、大丈夫だったか?」

「大丈夫!?怪我してない?!」

「見たらわかんだろ、どこも怪我してねーよ。」

「もうやめてよね、ほんとびっくりしたんだからさ〜」

「血を綺麗しますわね。」


《水の精霊よ、穢れを祓い清めたまえ。アクアパール》

ママンは水でハーツの体についた血を綺麗に流した。


「しかし、あの大きな槍は凄いね。騎士団でもあんなのは見たことないよ。」

「ったりめーだ!あれは神ってシリーズで神様が使ってたとされる武器なんだからな!」

「神シリーズか、名前だけは聞いたことあるがまさか実物があるとは…」

「まあ〜わたくしも神シリーズは名前だけは聞いたことありますけど、実在したんですわね。」


どうやら、ハーツの使用した槍は実在するかどうかも怪しいものだったらしい。

スウルは何が何だかわからなくなり、とりあえずジャイアントイーターの死体に近寄った。


「なあ、これってどうすんだ?」

「そうだね、とりあえずギルドに発生したことは言わないといけないし、素材も売ればお金になるしね。」

「とりあえず、わたくしのマジックボックスに入れておきますわね。」


[シュゴ!]

ママンはマジックボックスにジャイアントイーターの死体を入れた。


マジックボックスとは魔法により中の容量が何十倍何億倍と広くなっている魔法のカバンのようなものだ。しかもママンの使用しているものは国宝級なので重さの変化は無いし、状態は一定に保たれるというしれものだ。


「それじゃあ平原の魔物たちも一掃出来たし、いったん街まで帰ろうか。ギルドで素材も鑑定してもらわないと。」

「どうせなら、近くまでガエンで帰るか。」

「やったーモフモフ!」

[ガウガウ!]


ガエンに4人乗ると満員気味のようだったので、スウルはハーツにくっつくことにした。


「ハーツ、ちょっとごめんよ。」

「あ?ちょ、おまっ!」


スウルはハーツの座っているところに座りまるで後ろから抱きしめてくれと言わんばかりにくっついた。


「これなら後ろもゆとりあるだろ?」

「まあまあまあまあ!ウフフフフ…」

「…ギリッ!」

「仕方ねーなー。」


三者三様の反応をしめす。

ママンはいつも通り滾ってるし、エルは歯ぎしりをしてハーツを威嚇している。ハーツは口では文句言ってるが、スウルからは顔が見えないので鼻の下をだらしなく伸ばしている。エロオヤジか!


ママンになりたいな…わたしも滾りたい…

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