パーティのメンバーと顔合わせ
次の日……
俺は馬車の中で村に来た騎士と話をしていた。
どうやら騎士団長らしい。
騎士団長、グラフス=ヨール
こいつの話によると王が国に張っている結界に魔族が侵入しようとした形跡があるらしい。
今までこの国は魔物の脅威に怯えるほどでは無かったが、ある程度の被害は受けていた。だから、魔族の侵入は国家の一大事である。
魔族、魔物たちは、魔王の力により活性化されるらしく、魔王を弱体化出来れば魔族や魔物の力が衰えると考えたらしい。
そのために王都では討伐のパーティを組む予定だったそうだ。
前衛の騎士、槍使い。
後衛の精霊師までは揃ったのだが、回復や支援などの魔法を使える者が居ないために探しているらしい。
回復や支援系は使える人間が国全体で見ても国民の一割にも満たない。そして、その一割に満たない中に俺がいる。
・・・・・・・・・・
そうこうしている内に3日、4日と経ち俺はとうとう王都にやってきた。道中は特に目立った事はなく、魔物も群れからはぐれたようなやつしか出会わなかった。
王都にやってきて早速、俺は王城に連れていかれた。そして、城の大広間に俺は立たされている。
「ふむ、お主がポポロン村の治癒魔法師か。」
「は、はい。」
「お主のレベルを計らせてもらおう。水晶を。」
従者が俺の前に人の頭程の水晶を持ってきた。
「ここに手を置いてくださいませ。」
「えっと、こうですか。」
俺が手を置くと水晶は透明だったのが、緑色に変わった。
「ふむ、緑ということはだいたい50ぐらいか…お主田舎出身にしてはレベルが高いな。我が国の一般兵士レベルはゆうに超えてるぞ。」
「そ、そんなにですか?」
「うむ、このレベルであればパーティに入ってもやっていけるだろう!」
「え?」
「お主、名はなんという?」
「スウル、スウル=オハンです。」
「スウル=オハン、お主を討伐パーティのヒーラーに任命する!」
沈黙が流れる。
「え、ええええええええええええええ!!!俺がヒーラーで討伐パーティ!?????」
「うむ、ほかの仲間を呼ぼう。」
「ちょ、ちょ、待ってください!」
「騎士エルンスール=ハイン、槍使いハーツムル=ムインティア、精霊師ママン=フエルコリエ、この3人がお主の仲間だ。」
「話し聞いてください…」
王様がいる大階段のちょうど真ん中にある踊り場から3人が前に出てきた。
3人は俺の方に向かって歩いくる。
おそらく左の男は白銀の鎧を纏っており、騎士のエルンスール=ハインだろう。真ん中の槍を持った男がハーツムル=ムインティア。右の、ん?右の女の人おっぱいすごいブルンブルン揺れてるんだけど…え?デカくね?おっぱいデカくね?
3人は俺の目の前に立つとエルンスールから挨拶してきた。
「はじめまして、エルンスール=ハインと言います。君を守る騎士だ。僕のことは盾のように扱ってくれ。」
「オレはハーツムル=ムインティア。多分一番怪我をするから治療よろしくな!」
「うふふ。わたくし精霊師のママン=フエルコリエと申します。精霊の導きが貴方にもあらんことを。」
「は、はじめましゅて。」
(うっわ、噛んだ。恥ずかしくだろ俺…)
ズキューーーン!
(なんだいこの可愛い子は、僕の庇護欲が掻き立てられるんだが。)
(オイオイ、今すぐ家に連れて帰って監禁してえ。)
(まあまあ、可愛らしい。ああ、滾りますわ!!)
実はこのパーティ、男2人、スウルに一目惚れしました。(なお、ママンはゴリッゴリの腐女子です。)
「んっんん!スウル君、これから仲間になるんだ、僕の名前はエルと呼んでくれ。」
「あ、オレ、オレはハーツでいいからな!」
「わたくしはママンとお呼びください。」
なんだこのイケメンたちと美女の顔面の暴力は。
エルンスールは爽やかな見た目で、二重で切れ長の目、スッキリと整った鼻筋、血色の良い唇。そういや、村の乙女衆が王都の騎士団にはすごいイケメンがいて、なんでもお見合いを申し込まれた数は3桁はくだらないとかなんとか…
ハーツムルはワイルドな顔立ちで、褐色の肌は日焼けか生まれつきか。鍛えたその身体は筋肉隆々としており俺なんか片手で持ち上げれるのではないか。頬に少し傷跡があるがそれがまたワイルドな見た目を後押ししてくれている。
エルンスールが正統派なイケメンで女子にモテモテとするなら、ハーツムルは皆んなから兄貴と慕われる野性味あるイケメンだろう。
そしてこのパーティの紅一点、ママン。
とにかくおっぱいだ。小さなメロンでも詰めてるのかこの人は?優しげな瞳に真っ赤な口紅を塗った唇。優しいお姉さんって見た目だな。
「ああ、えっとエルさん、ハーツさん、ママンさん。」
「さん付けなんて要らないよ、僕もスウルって呼ぶから。」
「ああ、他人行儀すぎると連携が取りにくくなるからな!」
「ええ、そうですわ。」
「は、はあ」
「さあ、スウル、僕の名前を言って。」
「おいスウル、オレもだ。」
「ささ、スウル。」
(なんだこの羞恥プレイは…え?なんでみんなして俺に名前呼ばれたいの?え?王都はそういうのが流行ってるの?てか、言わないと話進まなくね?)
「えー、はい。エル、ハーツ、ママン、これからよろしくお願いします。」
(ハーーー!今までよくわからない令嬢たちから名前でも呼ばれても何も思わなかったのに、スウルに呼ばれるとドキドキするよ。)
(クッソこいつ、犬みてえに笑いやがって、オレに懐くように躾してえー!)
(正統派イケメンのエルさん、ワイルド系のハーツさん、そしてこのまだなにも知らない子犬のようなスウルさん。ハアー!滾ります滾りますわ!!昨日までのわたくしを殴りたいですわ!エルハーかハーエルで迷っていたわたくしが情けない!エルスウ、ハースウが至高ですわ!いえ、スウルさんを中心に据えて三角関係!わたくし宿の壁になりますわ!)
こうして、スウルの魔王討伐の旅が今幕が開けようとしていました。
このパーティ大丈夫?ちなみに自分はママンポジで見守ります。
ハースウ、エルスウ、滾りますわ