次の準備をし始めないと。
だいぶ間が空き、変なとこで切れてます。
素材場を後にした4人はギルドの休憩室にいた。
「いや〜しっかし疲れたな〜、これからも頑張ろうな〜。」
「そうだね、まずは何か飲み物でも貰おうか。皆んな何か飲むかい?」
「オレはエールで。」
「わたくしはソーダ水を。」
「俺は〜、ん〜、オレンジジュース!」
(((ほっこり)))
「それじゃあ、頼んでくるから席を取っておいてくれるかな。」
「わかった〜。」
エルはカウンターに行き、4人分の飲み物を注文した。ハーツはエールを、ママンはソーダ水を、スウルはオレンジジュースを、そしてエル自身はレモン水を頼んだ。それとガエン用にお水を頼んだ。注文した飲み物は担当の人が席まで持ってきてくれるシステムになっている。なので、エルは代金を支払い席に向かう。カウンターからは少し離れた位置にあるテーブルに3人は座っていた。
「おまたせ、あとは来るのを待つだけさ。」
「ほー、届けてくれんだな。」
エルも座り、今回の戦闘についての話になった。
「今日の戦いで基本的なことはみんな出来ていたと思うんだ。」
「まぁそうだなオレもそう思うぜ。」
「わたくしもですわ。」
「俺も〜。」
イレギュラーは発生したが、連携も取れており、これからパーティとしてやっていくには及第点であった。
「今回は様子見も兼ねて、僕とハーツが前衛、スウルとママンが後衛という形にしてガエンを2人の守りに入ってもらったけど、その点は大丈夫だったかな?」
「大丈夫だったとオレは思うぞ、まあ後衛の2人が襲われたときに対処を毎回出来るかはわからんが。」
[バウバウ!]
ハーツがそういうとガエンが自分が守ってやるよと言わんばかりに尻尾を振りスウルとママンの間を行ったり来たりしている。
「ガエン〜ありがとうな〜。」
スウルがわしゃわしゃと撫で回してやるとガエンはベロを出し嬉しそうにしていた。
「わたくしは常に精霊たちの加護を張ってますので、ちょっとぐらいの攻撃なら自衛出来ますわよ。」
「俺も村にいた時は鞭で家畜たちを誘導したり魔物を追い返したりしてたから、大丈夫だよ。」
「え?スウル、鞭使えるのかい?」
「ああ、ここにあるぞって、あれ??無い!?なんで!?」
「どこかで無くしたのかい?ゴズ平原の戦いの時かな?」
「てか、お前そもそも鞭持ってなかったくないか?」
「………………ほんとだ、持ってきてないわ……」
スウルのうっかりが発動してしまったらしく、スウルは愛用の鞭を村に置いてきたまま王都に来てしまったようだ。
「え…やばい、どうしよう…」
「とりあえず、オレの契約してるやつ貸してやるよ。」
「いいのか?悪りぃなあ〜。」
「ほらよ、一応スウルも使えるように契約更新するから、ちょっと束の部分握ってろ。」
「ほいほい、これでいいのか?」
「ああ、魔力流すぞ。」
バチン!と電流のようなものが一瞬流れてたかと思うと、スウルの手の甲に文様が浮かんだ。
すぐに文様は消え、手の甲には何も浮かんでいなかった。
「これでスウルもこの鞭が使えるようになった、言っとくがコレもまあまあ高レアな武器だからな。」
「ありがとう、てか、そんな良いもの俺が使ってもいいのか?」
「まあ、オレは鞭は使えないから宝の持ち腐れだったからな、いいんだよ。」
早速スウルは腰のベルトに鞭を取り付けた。
鞭の重さで少しベルトがズレるが気にせず、くるりと一回りしてみせた。
「どうかな?似合ってる?」
スウルは3人に感想を求めた。
「ああ、似合っているよ、スウル。」
(ハァ…可愛い。)
「おお、いいじゃねえか。」
(いいねえ、オレの所有物って感じがするなあ)
「うふふ、お似合いですわよ。」
(ハーツさんの鞭…うふふ、束縛ですわ〜)
「えへへ、ありがとう。」
ポリポリと頬っぺたを掻くスウル。
「それじゃあ、次はどこに向かうかい?魔王の居ると言われてる城に向かう前にもうすこし連携の練習をしておくべきだと僕は思うんだけども。」
「ああオレもそう思うな。」
「それでは、近くの町の依頼でも確認しますか?」
「隣町のザウルスってとこで魔物が異常発生してるって内容の紙ならさっき見たぞ。」
・・・・・・・・
ザウルスは王都からそこまで離れておらず、王都が貴族などの富裕層の割合が多いのに比べると、所謂庶民層が多いのが特徴の町だ。物価なども王都近隣にしては安価で庶民はもちろん、旅人や冒険者もこの町を利用する人が多い。
その町では今ボンドンというトカゲのような魔物が大量に発生しているとギルドボードに依頼の紙が貼られていた。
ボンドンとは体長60~150cmの大きなトカゲの魔物で火を噴く事が特徴の魔物である。
今現在は特に火事などの情報はきてはいないようだ。
しかし、いつ炎の被害があるかはわからないので早めの討伐が求められる。しかも皮は加工すれば炎熱対策のブーツやコート、建築資材として使用できるので素材としても魅力がある。
スウルは鞭も使えるんだそうですよ奥さん。