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ドジっ子ヒーラーは気づいてない  作者: はじめ まこと
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幼い魔王候補と遭遇

出会い編です。

ここは魔法の世界、『ドレンスタン』


ここに暮らす人々は皆魔法を使うことが出来る。

生活に役立つ魔法から獣を退ける魔法など、多種多様である。また、一人一人魔法が異なり、その人固有の魔法となっている。

人々は魔法で生計を立てたり、冒険者になったり、魔法の研究をしたりしている。

もちろんこの世界には魔物、魔族と呼ばれる種族もいる。


この物語は小さな村のはずれから始まる…。



「いたた、ちっくしょ〜俺様としたことがこんなトコで怪我するなんて、なんでこんな世界の片隅にある村に行けって魔王様は言ったんだ?」


彼の名は、グルード。魔王の息子だ。現在8歳である。

彼は父である魔王の言いつけで、世界の片隅にあるポポロン村に来ていた。しかし、前日の雨でぬかるんでおり、脚を挫いてしまった。


グルードは攻撃や結界といった魔法は得意だが、治癒の魔法は全く使えない。というよりも、魔王の血のおかげで治癒魔法を掛けるよりも自然治癒の方が早いのだ。

とはいえ、まだまだ幼いので自然治癒よりも魔法をかけた方が確実である。


奥の茂みがゴソゴソと揺れる。


ガサガサ


「な、なんだ!俺様は泣いてないぞ!痛くなんてないんだからな!」


茂みからヒョコっと顔を出したのは村に住む人間の男の子であった。


「に、にんげんか?」

「キミ、だぁれ?」


この少年の名はスウル。ポポロン村に住む7歳の男の子だ。


「お、俺様を知らないのか、お前?」

「スールー」

「なに?」

「なまえ、スウル。」

「ふん、にんげんの名前を知ったところで俺様は別に…」

「きみは?」

「俺様か?まあ、ここで会ったのも何かの縁だ、おしえてやろう。俺様はグルードだ。特別に名前で呼ぶことを許可してやろう。」


スウルはグルードと自分に交互に指を向け

「グルード、スウル、グルード、スウル…」

「にんげんが俺様の名を何回も呼ぶな…」


グルードは少し照れたように言った。

それは、グルードが今まで魔王の息子としか扱われてこなかったので、この様に不破躾な対応をする人物は初めてであったからだ。

そして、それがグルードにはとても嬉しいことのように思えたのだ。


「グルードはどうしてすわってるの?」

「べ、別に良いではないか、フン、すぐに立ってやろう。」


グルードは捻ったことを忘れて立とうとしたので、

「ッツ!イタいではないか!」

「グルード怪我してるの?」

「だったらどうしたのだ?」

「ぼくの魔法で治してあげる。」

「にんげんの助けなどいらぬ!」


グルードの言った言葉の意味を理解していなのか、スウルは魔法を使い始めた。


スウルの魔法は歌を使った魔法。聴いたものに対し治癒を施したり、歌声を盾にして味方を守ることができる。


「♪〜♪〜♪♭」


スウルの魔法は、グルードの捻った足を治していきます。


「暖かい…」


スウルの心が乗った魔法はグルードをやさしい気持ちで包んであげています。


「ハッ!に、にんげんにしてはやるではないか!」

「ありがと〜、もう大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ、ほら見てみろ。」


そう言い、グルードは足を踏みならした。


「良かった〜。」

「ああ、助かったぞスウル。では、俺様はそろそろ行くとする。」

「うん、気をつけてね〜。」

「その、だなスウル。もしよかったら、俺様の…」

「な〜に?」


(お、俺様はにんげんを嫁にしたいなど何故思った!こいつはにんげんだ、俺様たちとは違う種族…)


「いや、なんでもない、それではな!」

「ばいば〜い!」


グルードは翼を生やし空へと飛んでいった。


「グルードは天使さんだったんだ〜。」


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