シンデレ裸 ~ほぼ2000字で読める酷すぎる原作改変シリーズ~
裸は『ラ』とお読みください。
「一体……どうしましょう。結局緊張してしまって、何方とも踊れなかった……」
その舞踏会の端にいる彼女の名はシンデレラ。
心優しく、男性を魅了する美しい容姿の女性。
ですが今……そんな彼女にはあまり【猶予】。
時間が残されてはいなかったのです。
「もう少しで魔法が解けてしまいますわ……折角魔法使いの叔母様にエプロンをこんな綺麗なドレスに変えていただいたというのに……私は……」
そう、それは今彼女が発した通り。
財を握る義理の姉達から毎日召使かの如く扱われていた彼女にとって、贅沢などはもっての他。
よってこの様な華やかな舞踏会に来る洋服すら彼女は持ち合わせてなどいなかったのです。
(いけない……こう悩んでいる内にも時間が……)
けれども……一夜だけの奇跡と。
舞踏会に行けぬ事を嘆く健気な彼女の前へ、一人の魔法使いが現れると、【今夜の12時】までという制限付きで汚れたエプロンを美しい彼女に似合う、煌びやかなドレスへ変化させたのでした。
(……元々貧しき私になどにこんな華やかな舞踏会は似合わなかったのですわ……皆様に恥をかかせぬ前にお城から出る事に致しましょう……)
しかし、結局緊張してしまい誰とも踊れず。
ただ無為に時が過ぎ、その期限が迫る中。
今は魔法が解け、叩きだされてしまう前にとシンデレラは慌てて城の玄関へ繋がる階段へと。
履き慣れぬガラスの靴で降りんと動く。
「あっ!」
そう……彼女が動きだした途端でした。
「君! 待ってくれ!」
「えっ?」
彼女はそんな突然の自身を引き止める声。
思わず足を止め、振り返るとそこには……。
「すまない……時間いいかな?」
「そ、そんな……王子……様!?」
そう……なんと呼び止めたのはこの舞踏会の主催者にして、この国の【王子様】だったのです!
「その……少し、君とお話がしたくてね」
「えっ……あっ……その……こんな私などでは無くもっと色んな方とお話した方が有意義かと……」
けれども、彼女は驚愕しつつも。
不作法なのも承知でそう言葉を濁しました。
勿論、魔法の時間制限が原因です。
「いいや、君でないと駄目なんだ。私の財目当てに纏わりついて来る欲深い貴族の娘達では無く。会場の端で静かに佇んでいた君だからこそ――」
「えっ? 私でないと……えっ――」
「さあ、来て。特別に君に城内を案内しよう」
「あっ……そんな……王子様、お待ちを――」
すると……そんな中。
彼女には時間が無いというのに。
(あと一時間も無いわ……)
シンデレラは衣服の魔法が解けてしまう。
その時間の経過に気を取られつつ王子様に手を取られ、そのまま連れられていくのでした……。
ああ! このままでは彼女は元の貧しい姿に!
王子様に恥をかかせてしまうというのに!
「さあ、次はこっちだよ!」
「はっ……はい!」
結局、王子様に気にいられた彼女はそのまま、魔法が解けるまで数分という時間ギリギリまで。
城内をその素敵な王子様と共に回るのでした……それこそ逃げる時間もままならぬ程に……。
ですが……しかし――。
―― ―― ―― ―― ―― ――
「ハア……ハア……王子……様?」
「シンデレラ……もう私は我慢できない」
彼女にとってそれは……幸か不幸か。
そんな些事はもう関係ありませんでした。
何故なら魔法が解けてしまう前に二人は、
「あ……王子様……そこは……ダメですわ」
「大丈夫……恥ずかしがらないで……」
「アハァ……凄い……です。凄くお上手……」
「私に全て任せてくれ……もっと気持ちよく――」
「あああ……いやぁ♥……ああんっ!」
「今夜……いや、もうずっと君を離さない……」
「はい……王子様♥ もう私を好きなだけ――」
王室のベッドの上にて両者【裸の状態】で……。
生まれたままの姿で抱きしめ合ってからでした。
「その……いくよ……準備はいいかい?」
「はい♥ 王子様のお好きなように……」
……だから今更期限の12時を越えたところで。
床にある服の魔法が解けてしまっても問題無し。
元の貧しい服に戻ろうがそのままであろうが、こんな【大人の時間】の前では特に意味は無し。
「あはぁ♥ もっと激しく……してください」
「よし……いいよ……最高の夜にしよう!」
「はい♥ 王子様」
今、二人が肌に感じる唯一の感触は最早服では無く、お互いの温もりだけなのですから……。
―― ―― ―― ―― ―― ――
「ハア……ハア……シンデレラ愛してるよ」
「私もですわ、王子様……」
……こうしてガラスの靴など用いずとも。
というよりかはもう既に床に脱ぎ捨てられつつ。
その生まれ持った美貌と奥ゆかしさだけでシンデレラは王子様を虜にして、結ばれるのでした。
「その……王子様?」
「? どうしたんだい?」
「その……凄くはしたない……のですが」
「いいよ、言ってくれたまえ……」
「その……もう一度……私を抱きしめてはくださいませんでしょうか……もっと愛を知りたくて」
「ああ……いいとも。私の心を奪ったお姫様……」
「……はい♥」
チュッ、チュッ、とその唇を飽きる程。
盛りの付いた動物の如く何度も熱く重ね合い。
お互いの肌で温めあう一夜の過ごすのでした。
これにて……めでたし……めでたし?
これはただの作者の考えすぎではありますが。
以下の規則に抵触せず書けるならば、また【他の話】も書きたいと思っております。
・童話、古典文学など著作権の保護期間が終了している作品を原作とした小説。に違反した場合。
※一応今回モデルにした【シンデレラ】は非常に歴史が古く、WIKI先生で調べていた中でもモデルとなった物語はあれど明言できる原作者が見つからない為(グリム兄弟、シャルルペローなどが有名らしいですが見た感じ原作者では無いと思われます)、著作権的には大丈夫だと思われます(著作権についてうろ覚え作者)
・こちらのなろう運営社様より不適切と認定されてしまった末、削除依頼があった場合。
と……ルールには遵守せねばならぬ為。
この【なろう】で決められている重要な規則の二つ(もっとあるかも?)について抵触しなかった場合、連載執筆の手が空いた際にまた書きたいと思ってます(´・ω・`)
では、ここまでお付き合いくださいました読者の皆様ありがとうございました!
最後に……もし宜しければ他のシリーズや連載作品も是非一度ご覧くださいませ(*´ω`)




