regret mail
あるところにA君がいました。彼は中学受験に成功して、某有名大学にエスカレータで進学できる中学に入りました。彼は浮かれていましたが、成績は平均点くらいでした。二年生のある日、彼に異変が起こりました。彼は毎日の様に朝、屋上で見かけられるようになりました。三年生の二学期が始まってから三週間目に、彼はおびただしい量の血と共に地面に横たわっているのが見つかりました。彼の死体は朝日によって明るく照らされていました。また、屋上には彼の名前が書かれた靴がキレイに揃えられて置かれていました。
彼の死から二日後、彼の友達が体育のためにロッカーを開くと紙が地面に落ちました。その紙はA君がその友達に宛てた手紙でした。その友達は手紙を持ち帰り、家で読み始めました。
拝啓 B様
この手紙があなたのもとに届いていて、またあなたが読んでいるのなら僕は無事死ねたようですね。あなたはなんとなく僕が自殺する理由が分かったかもしれませんが、この手紙に全部記すことにします。
僕は中一の時にZ君と対立してしまいました。彼は内部進学者で人望が厚く、僕も友達になりたかったのですが、彼は僕のことが嫌いなようで暴力はなかったですが、罵声はよく浴びせられました。正直、俺は悪くなかったのにあんなことをされた理由が分かりません。君は唯一僕がクラスから阻害されようとも一緒に居てくれてありがとうございました。
僕は中二になった時、君とクラスが別になったね。それが僕の人生の終焉の始まりだった。さっきも書いたけど、Z君はとても人望があったんだ。そのせいで、僕はひどい評判で学校中に広まっていて、クラス内ではひとりも友達ができなかった。僕を嫌っていじめる人もいれば、評判が悪いからいじめてくる人、自分がいじめられたくないから僕をいじめる人。でも、ほとんどの人が一番後ろのタイプの人だった。そうそう、この時だった。屋上に行き始めたのは…。
僕は屋上で毎日の様に悩み事をしていた。始めのうちはなぜいじめられるかの謎を考えていた。僕は悪くないはずなのに…。今、ゆっくり考えると悩まずに君に相談すべきだった。ある日、こんな思想が生まれた。俺はもともといじめられてこの世から少しでもストレスを発散させる命を受けた人間なのかな?って。そうすると、楽になった。でも、もう耐切れない。あんなあだ名で呼ばれるのは嫌なんだ。俺は最近、屋上に上でなにを考えているかというと、「ここから飛び降りて死ぬか、今日あるかもしれない幸せに期待をして生きるか」という疑問だった。いつも、降車が選ばれて、今日まで生きてた。でも、今日思ったんだ。もう無理だって、だから明日死ぬことにした。これは自分勝手な見解だし、下手したらZ君たちも悪くないかもしれない。でも、無理なんだ…。無理なんだ…。そう無理…。
…最後に頼みがあるんだ。学校の理科室の近くに箱がある。その中に俺の上履きが入っている。最初は先生や家族に見せようと思ったけど、もう死を決めた今どうでもいい。君の手で燃やしといてくれ。
P.S.本当にありがとう。学校では君だけが僕の味方だった。君の幸せをあの世から見守るよ。ありがとう。
そうしめられた手紙にはA君の泪とその友達のB君の泪の両方がしみ込んでいたという。
B君は次の学校に行き、A君の靴を見つけた。その靴の右側一足の踵の部分には悪ふざけで書かれたであろう。「死」の一文字があった。B君はその文字を見て、悲しみにくれたという。たった一文字で彼の死はとてもとても早まったとは。