天才少年家庭教師現る
サブタイトル修正しました。
コンコン
玄関のドアノッカーを叩く。
僕は今、中級貴族のコルシア家の屋敷に居る。
何故かというと、コルシア家の次男のヴィルス•エル•コルシアという方の魔法の家庭教師をやるためだ。
というか平民の僕がここにいるのって、場違いな気が• • • • •
いや大丈夫!!
魔力、魔法の適性全ての数値がぶっ飛んでるって言われたし、なんたって王級魔法が使えるから絶対大丈夫!!
僕は必ず-
バァン!!
「わっ!!」
急に扉が開くからビックリした• • • •
扉を開けたのは、小さな少年だった。
この少年のどこにそんな力が• • • • •
少年が口を開いた。
「申し訳ございません、自分の名前はヴィルス•エル•コルシアと申します。貴方は?貴族の方ですか?それにしても-」
「い、いえ違います。え、えっと、き、今日からこの屋敷で家庭教師をすることになったナシス•ノーヴァンです。よ、よろしくお願いします。」
自己紹介を終えて僕が顔を上げるとヴィルス様が(°ロ°)という顔をしていた。
-
驚いた。
家庭教師として来たナシスという人に。
そのナシスという人は俺と同じくらいの子供だったからだ。
「ええっと• • • • •とりあえず上がって下さい先生。」
俺が引きつった笑顔でそう言うと、ナシスも引きつった笑顔で
「は、はい。」
-
僕は屋敷の中を歩いている。
いろんな所に置かれている美術品は豪華で地面にしかれているカーペットはふかふかで孤児院暮らしの僕にはどれも新鮮な物ばかりだ。
目の前を歩くヴィルス様が
「着きました。」
と言って豪華な装飾の施された扉を開ける。
扉を開けた先にはヴィルス様の両親がいる。
父親の方が口を開く。
「え?こ、子供?」
そして後ろに控えている執事に小声で「子供なんて聞いてないぞ。どういうことだ?」と訪ねる。
執事は澄ました顔で「言ったはずですよ?」と答える。
僕はその光景を見ながら苦笑を漏らすしかなかった。
-
今、僕は屋敷の裏山に居る。
ヴィルス様の家庭教師としての魔法を持っているかテストするようだ。
うぅ• • • •緊張するぅ。
落ち着け、落ち着くんだ僕!!
「如何なる時も冷静な対応を」っていつも孤児院の人に言われてるじゃないか!!
「じゃあ初めてくれ~」
と、ヴィルス様の父親、プレイス様が言う。
僕は、手に魔力を溜め、詠唱を唱える。
「汝、我の求めに応じよ、我に彼の者を殲滅する風の刃をあたえよ「疾風の刃!!」」
-
ヴォンッ!!
という音がしたと思ったらここら辺の木が全てバラバラになって落ちてきた。
俺はその光景を見て驚いた。
あんな少年が中級魔法を恐ろしい威力でぶっぱなしたからだ。(自分も異常だが)
どんだけ魔力込めたんだ?
プレイスを見ると(°ロ°)という顔をしながら口をパクパクさせていた。
ナシスは俺達に向かって
「どうですか?これで合格ですか?」
と聞く。
こんな光景を見せられた俺達は黙って頷くしかなかった。
感想お待ちしております
誤字脱字があったら伝えて下さい