誕生
恐る恐る目を開けると、俺の方を心配そうな顔をして覗き込んでいる二人がいた。
そのうちの一人の男性が俺の方に向かって
「××××××」
と話しかけてきた。
何をいっているんだ?
もう一人の女性も俺の方に向かって話しかけてきたが、やはり何と言っているかは解らない。
俺は立ち上がろうとしたが上手く立てない。
自分の体を見てみるとその理由はすぐ解った。
俺は赤ん坊になっていたのだ。
ということは俺を見ている男女は俺の親に当たる人か。
王道物の転生系小説と同じく0歳からやり直すのか・・・
よし、せっかく回ってきたチャンスなんだ。
異世界ライフがんばるかっ!
5年後・・・
遂に俺は5歳だ。
ここまでの間の苦しみときたら・・・
言語や読み書きを憶えるのは簡単だった。
家にある書斎に入って本を見たり親の会話を聞いたりしたりしてたら半年程で憶えた。
ちなみに俺の名前はヴィルス・エル・コルシア。
コルシア家はそこそこ名の知れた中級貴族だ。
父親の名前は、プレイス・エル・コルシア。
そして母親の名前は、マリシア・エル・コルシア。
まぁそんな事はいい。
最大の苦しみは食事。
まぁ解るだろう?
単得直入にいえばおっぱいを飲む時だ。
中身は赤ん坊でも心は30代なのだよ。
解るかね諸君?
この何とも言えん屈辱が。
何解らない?
そうかならいいんだ・・・・
などという茶番を脳内で繰り広げながらいつもの日課、書斎漁りをする。
とりあえず今日は植物大百科でも見るか。
植物大百科を探していると、一つの怪しいタイトルの本が目に入った。
タイトルは・・・「サルでもわかる魔法の使い方☆」
はたして主人公は魔法を取得できるのか!?
ということで続きます