プロローグ(上)
切り裂くような甲高い音が鼓膜を貫くと共に俺の体は重い鉄の塊の渾身の一撃だと言わんばかりの突進を食らいアスファルトに叩き付けられた。
「がはッ!」
息ができない、苦しい。
体全体が痛い
血が止まらない
俺ここで死ぬのか
さようなら俺の人生
せめて彼女が欲しかったです
など考えている合間も俺の意識は薄れてゆき、最終的に俺の意識は消えた
10分前・・・・
「さみぃな・・・・」
という言葉が白い息と共に漏れる。
俺の名前は「斎藤 隆」(さいとう たかし)34歳 フリーター
俺はこの理不尽な社会が嫌いだ。
才能を持っている人間のみ楽が出来て、持ってない者は必死になって頑張るしかない、かといって才能がありすぎると、他人から疎まれる。
『神は、人の上に人を作らず』なんてのは嘘っぱちだ。
本当に嫌な世の中だ。
はぁ………
嫌な世の中だ………(2度目)
せめてもう少し才能を持って生まれたらな・・・
まぁ祈っても意味なんて無いくらい解ってますよ。
なんて考えていると大通りに出た。
大通りは帰宅するサラリーマンで溢れている
ここにいると何とも言えない虚無感が襲ってくる。
早くここからおさらばしよう、と思うと高校生が交差点の真ん中で荷物を落としたのか荷物の中身がぶちまけられている。
危ないから手伝ってやろうと思い交差点を渡ろうとした時、高校生の方に失速もせずに向かってくるトラックが見えた。
その瞬間俺の体は高校生を助けようと動いていた。
高校生を突き飛ばすと同時にトラックに吹き飛ばされアスファルトに叩きつけられる
全身をしたたかに打つ。
ボキボキボキという嫌な音がした。
頭も打ったのか意識が朦朧とする。
あぁ・・・・
俺このまま死ぬのか・・・
さようなら俺の人生
せめて彼女が欲しかったです
と考えている内に俺の意識は途絶えた。