第四話 第十五部 隠し切れない疲れ
バシーーン!! ストライクバッターアウト!
佐奈「しゃあ!」
バシューーーン!! ストライクバッターアウト!
真菜「っふう。」
また早く打撃が終わってしまった。休憩する暇なんてほとんど無い。真菜姉も同じはずなのに全く球の勢いが衰えていない。なんでなのか…私にはあの投げ方を会得して…。体力も姉に追いつけるように努力した。それでもまだ足りないというのだろうか。
真菜「この回ね…。」
雨宮「汗、大丈夫か? 飲み物飲んどけよ。」
真菜「ありがとう…ふぅ…。」
岸「まさか息上げるとはな。」
真菜「でも…この回からなら打てるわよ。」
雨宮「球の勢いが落ちてるのか?」
バシーーーン! ストライクバッターアウト!
岸「たしかにミットの音が違うな…。」
バシーーン! ストライクワン!
堀近「(球の勢いが落ちてる…?)」
かなり疲れる。あの投球フォームを続けていたら体が壊れてもおかしくない。でも…これで抑えないと負けてしまう…負けてしまう!
シュッ
堀近「(フォークが抜けた!? 高い!)」
小田島「よっしゃ!」
ギイイイン!
打球はライト前に飛んでいく。七回、ここにきてヒットが打たれた…いや、つかまったのかもしれない…。ダメだダメだ! 弱気になっちゃ! でも…今後どうやって抑えていけば…。このバッターを抑えたとしても次のバッターは雨宮さん。どうすれば…。
高坂「打たせていいよ! 俺たちが守ってやる!」
橘田「そうだそうだ! 後ろがいるんだぜ!」
そういってもらえるのは嬉しい。でも私が打たれてはどうしようもない…どうすればっ!
シュッ!!
堀近「(たまに勢いが!?)」
ギィイイン!
打球は私の足元を抜けてセンター前に…。
坂本「らぁ!」
バシン!
ショートの坂本さんがダイビングキャッチで捕球した。そのままグラブトスで橘田さんに渡す。
橘田「野本!」
シュッ アウト!
セカンドはアウトになった。ファーストは厳しいタイミングだ。どうなる!?
バシン!!
アウト!!!!