第四話 第三部 朝起きて。
チュンチュン
私は重いまぶたをこすりながら階段を下りていった。まだ頭がぼーっとしていて、足は上がりきらず、パタパタとスリッパの音をたてて引きずっていた。リビングのドアを開けると真菜姉がご飯を作っていた。
佐奈「おはおー…。」
真菜「おはよう。」
私はゆっくりと冷蔵庫の前に移動して牛乳を取り出した。朝の日差しが窓から照りつけていた。
佐奈「いよいよ今日だね。」
真菜「そうね。」
淡々とした会話の中、食事が出来上がって食べ始めた。しっかり食べないとエネルギーが出ないもの、しっかり準備しなければ。
佐奈「やっぱり今日は試合で敵同士になるからあまり話さないほうがいいかな?」
真菜「…別に気にすることないわ。」
佐奈「えっ?」
真菜「普段どおりやればよいのよ。」
そういって真菜姉はパクパクとご飯を口に運んでいた。…あまり深く考えない方が良いのだろうか。真菜姉はすぐに食べ終わり、食器を片付けていた。そしてリビングから出るときに私に声をかけてきた。
真菜「佐奈。準備できたら声かけなさい。球場行くわよ。」
真菜姉はそういい残して階段を登っていった。一緒にいく? 私と? …なんか嬉しいけれども、本当に良いのだろうか。