第四話 第二部 アドバイス
バシューーーン!!
佐奈「どう? 良い球きてるかな?」
真菜「…まだ良い時と悪いときの差が大きい。」
佐奈「そっか。」
シュゴオオオオオ ズバァアアアン!!
私は真菜姉の力を入れたフォームからボールを受けとった。何が違うのだろうか。今すぐ姉のような力強さが欲しいというわけではない。もっと安定して力強い球が欲しい。でもなかなか上手くいかない…。
真菜「佐奈。」
佐奈「なに?」
そういうと真菜姉は私のところに近づいてきた。
真菜「捻るところまでフォームやってみて。」
佐奈「わ、わかった。」
私は真菜姉の言われたとおりに、捻るところまで足を上げた。すると真菜姉は近づいて私のお尻あたりを触って曲げた。
佐奈「な、何!?」
真菜「下半身、しっかりしてるのだからもう少し捻って、そしてタメなさい。」
佐奈「た、タメ?」
真菜「捻った後、すぐに投げているから力がたまりきってない。ためてためて。それと体ためたあと、あまり体を開きすぎないように。力が分散されて思うような球が投げられないから。」
私は言われたとおり、ゆっくりためようとした。しかしきつい。挙句の果てにはバランスを崩してこけそうになった。
真菜「まあ、意識しすぎても投球に集中できなくなるから。私からのアドバイスは今はここまで。また構えるから投げて。」
そういって真菜姉は駆け足で戻って構えた。ゆっくり腕を上げて…そして体を捻り、ゆっくりゆっくり…。そして体が開きすぎないようにあのミットめがけて!
シュバァアアアアア ドシューーーン!!!
真菜「ナイスボール!!!」
真菜姉の大きな声と勢いのあるミットの音が聞こえた。私は二つのことで驚いた。