第三話 第十二部 最後まで踏ん張って
バシューン!! ストライクバッターアウト!
ギィン!
堀近「セカン!」
野本「あいよ!」
バシン! アウト!!
私は順調にアウトを積み重ねていった。ヒット一つも許さず、皆で守り抜いてきた。そして…ツーアウトランナーなし。最後のバッターは国見だった。
国見「(きたきたきた。おいしいところでまわってきた! 打ってやるぜ!)」
ここでこの人…一番いやな相手だけれども勝負しなければいけない。敬遠のサインがもし出ても投げてたまるものか。私が抑えなきゃ…!押さえたい!
堀近「(気合十分だな。よし、いくか。)」
バンバン!
堀近さんがミットを強く叩く。そしてドッシリと構える。
堀近「ここだ!」
サインは出していない。思いっきりそこに投げろということ…ね。わかった、そこに向かって…思いっきり!
シュバアアアアア ブン! バシーーン!
ストライクワン!
国見「(ここにきてこの球かよ。さすがだぜ…。)」
シューーーー
国見「っち!」
ギィイン! ガシャン
ファールボール!
後ろの金網にボールがぶつかった。よし、まだまけていない。このままあのミットにこのボールを収めて…ゲームセットにする!
真菜「…低め。」
佐奈「!?」
私は思わずプレートを外した。姉の声が…聞こえた? どこにいるのだろう…わからない。けど…。私にはわかった。低目ね。
国見「(さぁこいこいこい!)」
私は大きく振りかぶって体を捻り、バネの原理と同じように…一気に放つ!!
シュバァアアアアア
ブシィ!
バシーーーーン!
ストライクバッターアウト! ゲームセット!!