第三話 第五部 即座の対応
シュバァアアアアア バシューーン!!
バシューーー シュバーーン!!
何十球か投げているとコントロールも少しずつ定まってくるようになってきた。投げている私自身も何か球の勢いが変わった気がした。力強いストレート。今までに無い投げた感触だった。そしてミットの音も全く違う。堀近さんは最初は対応に戸惑っていたけれども、今ではしっかりと私のボールをスイートスポットで捕球し、良い音を響かせている。投げていてものすごく心地よく、そして球が走っていると思わせるかのような音を出してくれるのは嬉しいことだ。
堀近「いいぞ! もう一球だ!」
堀近さんが笑顔に変わっていた。最初は本当に戸惑っていた様子だったけれど、初球を受けてから目つきが変わって今ではすごくニコニコしている。これなら心置きなく思いっきり投げれる!
シュバァアアアアア バシューーーン!
堀近「ナイスボール!」
今度は構えたところドンピシャにおさまった。すごく気持ちが良い。
堀近「(すげぇ。まさかここまですぐに出来るとは思っていなかった。すっげえ、これはすげぇ。でも…まだフォームにバラつきがあるし…何しろ今はフォームが固まっていない。付け焼刃みたいなものだ。これをあと一週間…いや、椎葉の対応力があれば間に合うはず。頼むぞ。)」
そして堀近さんがバンバンとミットを手で叩いて構えた。
堀近「さあ、後一球!」
私は大きく振りかぶり、大きくひねって踏み出して投げた。
シュバァアアアアアア ドシューーーーン!!!!!