第三話 第二部 キャッチボールでも。
バシューーーン!
今日もいつも通り、姉とキャッチボールをしていた。ここ大会に近づくにつれて、姉の球はすごさを増すばかりであった。私も肩の調子が良くなってきて、ミットの音もよい音に近づいてきた。しかし、キャッチボール中に姉は。
真菜「…また体が開いてるわね。」
佐奈「ねえ、どんな感じなの?」
シュバァアアアア バシューーン!!
真菜「…それぐらい自分で考えなさい。」
真菜姉は力強い球を放って言った。痛い。ただの痛みだけじゃない。しっかりしろという気持ちもこめられた投球だった。私自身が見つける? それはどうやってやるのだろうか…。
佐奈「そういうところって自分じゃわからない部分もでてくるんじゃないのっ!」
シュバァアアアア バシーーン!!
真菜「…自分で見つけなければ、進歩は無いわよ。」
そういって軽々と捕球した。
真菜「…まだまだ球が軽いわね。一般的に見れば重いかもしれないけど。」
その言葉に私はグサッと来た。私の球が軽い? そんなことはない。だって、球の勢いを殺さないようにするために毎日姉に追いつくようにランニングしてきたもの。それでも…まだ足りないというべきなのだろうか。
真菜「だから投球フォームを変えなさい。」
シュバァアアアアアアア バシューーーーン!!!!