第三話 第一部 フォーム改造
ストライクバッターアウト!
佐奈「やったああああ!!!」
堀近「よっしゃあああ!!」
最後は椎葉佐奈投手が三振に抑えて試合終了とし、神宮大会の切符を手に入れました。この試合では━━━━━━━━━。
…………
真菜「…佐奈、喜びすぎよ。」
佐奈「ちょっと自分でみて恥ずかしくなってきたよ。」
私と真菜姉はリビングで六大学リーグの優勝試合ハイライトを見ていた。4安打無失点の好投で勝つことができた決勝は1対0というやはり打力不足に泣かれた試合だった。でも、ヒットだけは6本といままでの試合の中で一番よかった結果だった。
真菜「…すこしはまとまってきたわね。」
佐奈「これであとは真菜姉を倒すだけ。」
真菜「…このままじゃボロ負けするわよ。」
佐奈「何言ってるの? 私はこの一年間で成長したんだから。チームもよくなってきたんだから。」
真菜「そうね…。でもあなたの投げ方、あのままじゃ他の学校に点取られるわよ。」
佐奈「えっ?」
私は箸を止めた。一体どういうことなのだろう。
真菜「…体すぐに開きすぎよ。いくら球が速くても、威力があってもこれじゃあ勿体ない。今からでも投球フォームを改造してみることね。」
佐奈「フォーム改造?」
真菜「そう……。ご馳走様。」
真菜姉は食べ終えてすぐに食器を洗い始めた。投球フォームを変える? どういうことなの? 体が開きすぎ? いままでそんな自覚なんてなかった。本当にそうなのだろうか…。